智潤♀️のお話です。
サキュバスお潤ちゃんです♡
女体化苦手な方は回れ右!
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「おなかすいたな・・・」
ぐうう・・・って鳴っちゃうお腹を押さえてため息。もう一ヶ月もご飯を食べれてない
人間の精気を吸って生きる私はキスだけで充分ご飯になるんだけど・・・恥ずかしくて自分からはなかなか行けない
「だから落ちこぼれなんて言われちゃうのは分かってるけど・・・!」
『ひと月食べなくてもギリ大丈夫な燃費は優秀だけどサキュバスとしてどうなの?』って友達の相葉ちゃんにも呆れられてる・・匙を投げられてないだけマシなのかもしれない
でも無理なものは無理!
だって自分から胸寄せてセクシーにポーズとって誘惑するんだよ?餌相手とはいえ感情がある生き物に!
そう言ったら相葉ちゃんが『襲ってくれたら楽じゃん』だって
・・・はぁ
相手から来てくれるのは確かに楽なんだけどヘラヘラ笑いながらナンパに近づいてくる人間はオーラからして美味しくないからそういう人からは逃げちゃう
ワガママだけど食事の好みは誰だってあるよね?
あーあ・・・
美味しいご飯が食べたい・・・
でも恥ずかしい・・・
何より今は
「うごけない・・・」
身体に力が入らなくて誰も居ない公園のベンチに横になる
一応ヒト型を保てるくらいの魔力は残ってるし
風邪をひくとかいう事は私たちの体質にはないから別にここで眠っちゃっても大丈夫だけど、どうせならやっぱり美味しいご飯と一緒に眠りたい
もういっそ誰か拾ってくれないかな・・・
動くのも億劫になって目を閉じたらそのまま瞼が重くなった
+
「めちゃくちゃイイ匂いがする!?・・・って、あれ?」
ピクピクと動いた鼻に促されてガバッと起き上がった先に見えたのは沈黙した真っ黒い箱。確かテレビとかいうやつ
公園のベンチに転がってた筈がいつの間にか家の中にいる。本当に誰か拾ってくれたんだ!ご馳走とまでは言わないから美味しい人だといいな・・・って思う私の鼻にこの部屋に微かに残る甘くて濃蜜な香りがついて、ぐううっとお腹が鳴った
残り香でこの芳醇さ・・・・間違いなく今まで出会った人間の中でも上等の部類だ
ふかふかのソファから床へと足をつけて立ち上がる
ぐるりと見回した部屋の中は整理されてるとは言えない雑然とした感じ。汚いかって言われるとそんな事はないんだけど・・・ものが少ない?ううん。偏ってる感じ。生活感はあんまりないけど、絵の具とか木の・・なんだろ?枠?よくわからないけどなんかが無造作に置かれてる
その合間を縫ってフラフラ歩き出したところで、リビングのドアが開いた
「お、起きた」
うわっうわわ・・・////
蜂蜜みたいなあまぁい香り。それがキツ過ぎずふわりと食欲をそそる様に漂ってくる。部屋にしみついた匂いだけでも涎が垂れそうだったのに、本人の破壊力がスゴい
目が離せない
「えと、・・あなたが拾ってくれたんですか?ありがとうございま、」
「すげぇ腹ぐうぐう鳴ってんだもん。可哀そうになっちゃって」
「なっ・・・///」
見ず知らずの相手にお腹鳴ってるの聞かれるって恥ずかしいんだから!羞恥心は種族関係ないからねバカー!
カァッと頬を真っ赤に染めて俯いたらふふっと笑われた。もう!せっかく最高の香りなのにっ
あああでも笑うと匂いが更に強くなって頭がクラクラする・・・///
中身はアレだけど外見はとても好み・・・なんだよね
ぷくぷくほっぺのベビーフェイス。今にも泣きだしそうな困り顔がなんか胸にクる
眉毛にかかるかかからないかくらいのふわふわした前髪がまた幼くて可愛い
絶対この餌がいいな
一ヶ月ぶりの食事なんだから恥を捨ててモーションかけなきゃ!
(つづく)