水本爽涼 歳時記

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明暗ユーモア短編集(全100話)3/14~ 連載中![隔日連載] ^^
逆転ユーモア短編集(全100話)
<再掲>1/10~ 連載中![隔日連載] ^^
                    
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明暗ユーモア短編集 (12)話題

 話題は暗いより明るい方がいいに決まっている。このことは、ほぼ100%の確率で皆さんが思われることだろう。悪い話を話題にされたとき、明るい気分だったものが暗くなるのは誰しも嫌なはずだ。実は、世の中がこの話題の良し悪しの鬩(せめ)ぎ合いで成り立っていることを皆さんはご存じだろうか? お知りにならないなら、この場をお借りして言っておきたいと思う。・・などと書き始めれば、これはもう、達人かなにか崇高な存在みたいだが、本当のところは私にも分からない。ただ、そのように思える・・とだけ言っておきたいと思う。では、悪い話を聞かされた[攻撃された]場合、どう対処すればいいか? だが、その話題から逃避する[話題を変える]か、あるいは、『私は悪い話はしないようにしているから、聞かなかったことにする』と、相手にはっきりと言い切る手法で遠ざかる[防御する]二通りがある。そうすれば、悪い話題は手も足も出なくなる・・としたものだ。^^
 江戸っ子の二人の暇(ひま)な男が、久しぶりに偶然、出くわした。
「おっ! 手羽崎(てばさき)じゃねえかっ! 久しぶりだなっ!」
「なんだ、鶏冠(とさか)かっ! 元気だったか!」
「当たり前(めえ)よっ! お前、牛尾(うしお)がまた落ちたの、知ってるかっ!」
「あいつ、まだ受験してたのか…。その話は聞かなかったことにするっ!」
「どうしてっ!?」
「俺は悪い話題が嫌いでなっ! 話しもしないし、聞くこともしねぇ! 気が滅入るからなっ!?」
「ああ、まあな…」
「だろっ!? 明るい話題で話そうぜっ! 何か、ねぇ~かよっ!?」
「その牛尾がよっ! とうとう、見切りつけて働き始めてなっ、夜間合格したって話だっ!」
「おっ! 暗くねぇ、暗くねぇ! 明るいじゃねえかっ! そういう話題は、もっと聞きてぇ~やなっ!」
 二人が話す辺りに、明るいオーラが漂い、広がり始めた。
 皆さん、明るい話題で世の中を明るくしましょう。暗い話題[ニュース、ドラマ、映画etc.を含む]では、世の中が益々(ますます)、暗くなりますよっ!^^

                   完

逆転ユーモア短編集 -42- ダイエット  <再掲>

 中年以降になると肥満体になりやすい。
「君さぁ~、もう少し痩(や)せた方がいいんじゃないか?」
「はあ…」
 真夏の午後、外回りの営業から会社へ戻(もど)った小橋に、課長の石桁(いしげた)が声をかけた。びっしょりと汗を掻(か)き、それをハンカチで拭(ふ)きながら課に入ったところを、運悪く石桁と鉢合わせしてしまったのだ。
 その日以降、小橋は太った体重を元に戻(もど)そうと、ダイエットに躍起(やっき)になった。まず、炭水化物を取らない作戦に出た小橋は、豆腐にカレーをかけて1年食べ続ける・・という離れ業(わざ)をやってのけた。まあ、離れ業というよりはアイデア業なのかも知れなかったが、馴(な)れると妙なもので、これがどうしてどうして結構、いけたのである。お蔭で体重も約10Kg落とすことが出来た。
「ほう! なかなかスリムになったじゃないかっ! 汗も掻かなくなったしさぁ~。いい塩梅(あんばい)だよ、小橋さん!」
 1年後、石桁は小橋にそう言った。
「はあ、どうも…」
 小橋は内心で少し自慢げに石桁を見た。すると、以前より少し石桁が太って見えるではないか。
「課長、太られましたね。少しお痩せになった方がいいんじゃないでしょうか」
「ああ…どうも」
 その日以降、小橋は太った体重を元に戻(もど)そうと、ダイエットに躍起(やっき)になった。立場が逆転していた。 


                   完

明暗ユーモア短編集 (11)空(そら)

 つい今し方まで明るい空(そら)だったものが、急に現れた雲によって全天、薄墨色に覆(おお)われて暗くなる・・ということがある。天候は自然現象だから人には変えられず、どうしようもない。明るい青空の方が暗い曇り空より気分がいいはずだが、中には、暗い空の方が気分が落ち着く・・と言われる根暗(ねくら)なお方もおられるに違いないが…。^^
 とある研究所である。二人の所員が何やら話し合っている。
「どうなんですか所長、雲行きはっ!?」
「んっ!? ああ、予報は昼から下り坂、とかなんとか言っとったぞっ!」
 所長が明るい声で言った。
「その雲行きじゃなく、これですよっ!」
 所員は手に持った試験管を示しながら暗い声で返した。
「ソレか? …ソレはソレだけのもんだよ。次はどうなるか? だが、私には分からんっ!」
 ヤケっぽい少し暗い声で所長は所員に言った。
「必ずコレで晴れるって訳じゃないんですかっ!?」
「ああ、ウイルスはコレにより、さらに強くなる。だとすれば、次は…」
 所長の声は、トーン・ダウンして、やや暗くなった。
「分かりませんよねっ!?」
 所員は暗い声で言った。
「ああ、空のようにな…」
 空のように、今後の私達の暮らしが明るくなるか? 暗くなるか? は、天のみぞ知る・・といったところだろう。明るくなって欲しいものである。^^

                   完

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