「で、どこにいく?」
相変わらずかっこいい松潤の背中を見送って、
そして、
酔っ払い2人はぼつんと 道に取り残される。
翔ちゃんは、そこそこ飲んでて、
軽い酔っ払いだけど、
俺は、アルコールは回ってない。
翔ちゃんに肩を抱かれて
引き寄せられて、
その翔ちゃんの温かい体温に
酔わされているだけだ。
「もう一軒 行くぞ。雅紀。」
翔ちゃんは俺の背中を引き寄せて、
前に進もうとするけれど、
「いや。翔ちゃん。
あなた、結構酔っ払ってるでしょ。
もう一軒行ったら、
やばいって。
明日、仕事とかないの?」
「ないっ。
俺は、雅紀と会うために、
今日、張り切ってやってきたんだ。
明日なんか仕事を入れるもんか。」
どき。
なんてことを この人は言うんだろ。
勘違いしちゃうじゃないか。
この酔っ払いめ。
「でも、
もう一軒、外で飲んだら、
俺、翔ちゃんを連れて帰れるかわからないし…」
それに、
こんな有名人。
外で飲んでたら、
他の人に見つかって、
何を言われるかわからない。
はやく、
タクシーに乗せて、
家に帰らせなくちゃ。
一生懸命、
翔ちゃんを説得しようとしたら、
「あ、わかった。」
翔ちゃんが大きな声を張り上げる。
「し、しーっ。
翔ちゃん、静かに。
他の人に見つかっちゃうじゃん。
で、
なに?
なにが、わかったの?」
「あのさ。俺。
シャンパン飛ばして、
雅紀のハンカチで拭いてもらったじゃん。
それ、
クリーニングして返さなくちゃと思ってたし、
ちゃんと
おれいもしたかったんだよ。
だからさ。
雅紀。
俺の家に一緒に行って、
俺にお礼させて。
それで、
一緒にそこで飲もう。
よし。
それなら、いい。」
翔ちゃんの頭の中のコンピュータが、
酔っ払いながらも
勝手に計算して、勝手に答えを導き出したらしい。
「タクシー!」
翔ちゃんが手を挙げると、
まるでうってつけのように、
俺らの目の前にタクシーが滑り込んできて、
「さ、行くぞ。」
翔ちゃんが、
俺をタクシーの座席に押し込むと、
「汐留まで。」
自分の住所を運転手に告げた。
⭐︎つづく⭐︎
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