小津安二郎の映画で、私の好きな作品のひとつが「早春」です。

丸の内の本社に勤める主人公(池部良)の一抹の過ちで冷え切った夫婦関係が、転勤を機に再び絆を戻すストーリーで、その転勤先が三石の煉瓦工場でした。

(2023.3.31 山陽本線 三石駅構内)

池部良がタオルで汗を拭いなが事務作業をした事業所が三石駅からすぐの場所にあります。

工場内に立つ大煙突が煉瓦工場を象徴し、作中に何度も登場しました。

(2023.3.31 三石耐火煉瓦煙突・事務所)

山陽本線の築堤を望む場所に主人公の下宿があり、D52が牽引する貨物列車がドラフトを轟かせて通過しました。

ラストシーンでの、数日遅れで東京から来た妻(淡島千景)が、下宿の窓から上り急行を眺めて、「あれに乗れば、明日の朝には東京に着くのね」のセリフを覚えています。

(淡島千景の凛とした仕草がとても美しい)

(2023.3.31 三石耐火煉瓦事務所)

三石は煉瓦の材料となる蝋石の産出地で、煉瓦製造で栄えた町でした。

(2823.3.31 三石耐火煉瓦工場)

残念ながら、煉瓦製造の減少とともに町の衰退が気になりますが、工場が稼働しているのが救いです。

(2023.3.31 三石地区 煉瓦塀)


(2023.3.31 山陽本線 三石駅)

西陽を浴びて三石駅に入線する岡山行き115系に乗車、次回の訪問で再び115系に乗れるのかな?

(2023.3.31 山陽本線 三石駅)