旧型国電の主幹制御器(マスコン)は全てMC1A型で統一されており、私にとってのMC1Aは旧型国電のシンボルでした。 

また、私鉄各社でも幅広く採用されており、東急電鉄では5000系以前の(軌道線を除く)旧型車は全てMC1Aでした。

(2011.7.16 十和田観光電鉄 七百駅構内)

東急3000系列が譲渡された弘南、十和田、福島、上田、京福、豊鉄、名鉄、熊電の各社でもMC1Aのまま稼働しました。とりわけ名鉄3700形はHL・AL車の中で異彩を放っていました。

(2011.7.16 十和田観光電鉄 モハ3603)

なかでも西武鉄道ではカルダン駆動の新性能車にも継承され、101系竣工以前の701・801系までMC1A型式を採用する徹底ぶりでした。

(2019.9.2 三岐鉄道クモハ803(西武701系)

西武701系は新性能車らしいユニット運転台に古風なMC1Aマスコンが際立つ存在でした。

(2013.9.7 昭和の杜博物館 流鉄クモハ2006)

流鉄では、ワンマン化対応の改造以外は西武時代の形態を保っています。

 (2013.9.7 昭和の杜博物館 流鉄クモハ2006)

拙宅で所蔵するMC1Aマスコンです。

前進が3ノッチ、後退が1ノッチで手を離すとバネで戻る簡素な構造です。  

単純な構造ゆえ保守・修繕が容易で幅広く長期にわたり支持されたと思われます。

マスコンの銘板には昭和34年11月更新修繕と記されています。

協和製作株式会社とは聞きなれない企業ですが、このマスコンも元を辿れば私鉄払下げの17m国電で、国鉄在籍時代の更新修繕です。