Twitter上の企画 #空想の街 の中から、#猫神 の本編。
巫女を主人公にしたお話を書いてみました。
キャラを作ったら勝手に動くかどうかの実験。2日目。
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1月23日~27日、街の設定にのっとって創作してみませんか?
Wiki
http://www4.atwiki.jp/fancytwon
( 主催
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巫女の仕事は暇ではない。
掃除、お守りの授与、お札や紙垂などの作成、会計事務、神楽などの稽古、賽銭回収、祈祷とその補佐などなど。
参拝客の対応だけでなく意外と多くの仕事があり忙しい。
交代で休憩をとる。ご飯食べたり、おやつ食べたりしたあとはパトロールと運動不足解消を兼ねて境内を歩きまわる。
「あれ?花が咲いてる!」 もう花の目覚めの季節か。
一句詠みたくなった
「春がくる花の目覚めだ桃の花」
んー なかなか良いのが出来た♪
「ちょっとちょっと」男に声をかけられた。
振り返ると160cmぐらいの男。
黒ずくめのエレガントでありパンキッシュな服、なかなかの美形。
ミ「なんでしょうか?」
男「いまの季重なりだね」
ミ「は?」
男「俳句だよ」 俳句、口に出さなきゃ良かった。
ミ「はい、恥ずかしながら一句詠んでました」
男「春、花の目覚め、桃の花、3つも季語が入ってる。季語は一句に一つでええねんで」
ああ、うるさい人に聞かれちゃったなぁ
男「ええねんで。ちゃんと五・七・五になってるし。季語も入ってる。
ただ季語が2つ以上あるのは『季重なり』といって、初心者はやらないほうがいい。
たとえば、こういうのはどう? 振り向けば花の目覚めや赤い服」
ミ「おっ。俳句っぽいくなりました! 花の目覚めや の"や"がなんか俳句っぽっすね」
男「そう!この"や"がポイントなのよ。これは『切れ字』といって。まず『切れ』というのは・・・長くなるけど良い?」
ミ「長くなるなら、けっこうです。ありがとうございます。いやぁ、俳句詠みそうになさそうなのに意外ですね」
男「そう? 俳句はロックなんだよ。」
ミ「俳句はロック?」
男「俳句もロックもリズムが大事なのよ。そもそもロックというのは・・・ 長くなるけど良い?」
ミ「長くなるなら、けっこうです。なんとなくわかります。ロッケンロール」
男「ああ、そうだ。そうそう」
男はバックからCDらしきものを取り出すとミーナに渡した。
男「それ、俺の出してるアルバム。それについてるブックレット見てみ」
CDにブックレットがついている。開いてペラペラめくると俳句らしいものが載ってる。珍し!
男「句集になってるの。15クルークになりまーす。お買い上げありがとうございまーす」
ミ「えー!お金取るんすか?」
男「冗談だよ。あげるあげる。サインもしてあげよう。君、名前は?」
ミ「ミーナです」
男は、スラスラっとサインを書いて、あらためて句集付きのCDを渡してくれた。
男「ミーナ、巫女なんだからちゃんと俳句詠めないとね」
ミ「巫女って俳句詠むもんなんですか?」
男「知らんけど」
男はそう言って笑うとラジオの収録があるとかで帰って行った。
うっちん、さっちんに俳句の人のことを聴いてみたら、けっこう有名なシンガーだったそうで羨ましがられた。
CD聴いてみたら、唄めちゃ上手くてビビった。
後日、3人で彼のライブを見に行ったが背の低い人なのに すっごく大きく見えた。かっこいい。
私も ちっちゃいけど大きく見えるかもしれない。ガンバろう。