空想の街 #猫神 (1/23) | 短律系詩人 句句句のQ

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1月23日~27日、街の設定にのっとって創作してみませんか?
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( 主催 ) の企画。

空想の街 #猫神  (1/23)

Twitter上の企画 #空想の街 の中から、#猫神   の本編。
巫女を主人公にしたお話を書いてみました。
キャラを作ったら勝手に動くかどうかの実験。それなりに動いてくれました。

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神社の朝も早い。太陽が昇る前に起床。
開門は6時。7時から体操の時間。
私はミーナ、上御猫神社の巫女。AB型の22歳。
B74 W56 H81 身長は150cmない。出身は遠い西のほう。

上御猫(かみおねこ)神社はジェスル駅の東口から2ブロック南を東側へ曲がって突き当りにある。
下御猫神社が南のほうにあるのだが割愛する。
境内に放し飼いになってる猫がいるのと、狛犬のかわりに阿・吽の招き猫のような石像があるぐらいで、あとは普通の小さい神社(だと思う)。

お祀りしてる神様、通称ニャン様は、人間を病気や悪霊から守護する女神。
豊穣や性愛を司り、音楽や踊りを好む。気まぐれでなかなか姿を現さない。
基本的に神社の仕事は私・ミーナを含む3名の巫女で切り盛りしている。

私(ミーナ)以外のふたりの巫女を紹介しておく。
さっちん:O型の25歳。推定86-60-85 自称セクシー担当のお色気ババア。天然ボケ。165cm。
うっちん:B型の21歳、推定78-59-82 Aカップ 自称知的美人の貧乳天然メガネっこ。158cm。

冬の朝は寒い。開門から1時間経ち、もうすぐ7時になろうとしている。
うっちんも さっちんもまだ起きてこない。
私も眠っていたいがちゃんと起きて仕事してしまう。

巫女装束の下には温かいボディースーツに貼れるタイプの携帯カイロを貼りまくっている。
上からブルーソックスのスタジャンを羽織っている。
他所の巫女さんはこんなの羽織ったりしないんだろうけど、これぐらい許して欲しい。
あいつらはまだ温々と眠っているのだから。

境内は常に美しく。毎朝の掃除は欠かせない。
境内にお客様がいない間は、大きめの声で唄いながら、舞うように掃除している。
気分が乗るとお客様がいても続けてしまう。

「体操の時間だよ!起きて起きて! 起きなきゃ水ぶっかけるよ!」。
眠そうに起きだす うっちん。さっちんは、まだ眠っている。
起こすための高圧洗浄機を買ってやろうか。さっちんの耳にペットボトルから水をドボドボかけてやった。

さ「マジで!なにすんの!信じられない!」
ミ「早く起きひんのが悪いんやろ!こっちは6時前から起きてるんや!」
う「さすが元ヤン・・・」
ミ「元ヤン関係ないやろ! 体操の時間。」

さ「今日も誰も来ないんでしょ? もうやめたらいいのに」
ミ「自分たちのためにやるの!」
7時からの体操は、近所の人たちも参加して行う。
しかし、寒い冬は参加者が少ない。参加者のいない日もある。
夏は、夏休みの子ども達がたくさん毎日来て、賑やかだったのにな。


3人は一の鳥居前の広場に出て体操をはじめた。
3人「いちにーさんし、にーにーさんし」
屈伸、アキレス腱伸ばし、首まわしといつもの体操をしていると
ボンという爆発音とともに一の鳥居が炎に包まれて倒れた。
ミ「なにごと?!」

「私の名前はカルメン。もちろんあだ名に決まってまーす。ちがう。本名だ!」
声のする方向を見ると白髪に褐色の肌、露出の多い黒い巫女装束。
う「あれはダークエルフ」
さ「エルフよりも性におおらかであるというダークエルフ」
ミ「説明ありがとう。」

ミ「あの格好寒くないのかなぁ?」
カ「寒い! オシャレは我慢!」

ミ「あのキャラ、何?」
さ「165cm 上から90-60-90のFカップ」
カ「正解!」
ミ「なんでそんなんわかるの?」

さ「正解したので、あたし寝てていい?」
ミ「こんなときに寝るの?」
う「こんなときに言うのなんなんだけど、私じつはA型なんだ」
ミ「いま言うことじゃないやん」
う「こないだ血液検査したらA型だった」
カ「なんの話をしている!」

カルメンは指先から火球を打ちまくってきた。
さ「zzz...」
ミ「寝てるやん!起きて起きて」
う「炎系の魔法使いか。うちら水系得意なのいなかったね、たしか」

カ「この神社に魔力を2倍3倍にする宝珠があるでしょ。それを渡しなさい。さっさと渡してくれたら大人しく帰ってあげる。」
う「宝珠って、クリスタルオーブのこと?」

ミ「それは、下御猫神社の宝だったんじゃ。きっと間違って、こっち来ちゃったんだ。」
さ「ねぇ 寝てていい?」
ミ「カルメンさん、うちには宝珠ないです!別の神社に行ってください」
カ「隠したって無駄だぞ。この神社を焼き払ってから探しても良いんだからな」

ミ「わからずやめ。喧嘩上等!」
う「ちょっと待って! メールの一文の最後に全部"(笑)"つける人、うざいよね。」
さ「いるいる。ひとつも面白いこと言ってないのにね。」
ミ「ねぇ なんの話してるの?」

カ「私も、そんなメールする奴、うざいと思う。早くお宝をよこせ!」
ミ「だから、その宝はここに無いんやって!」
さ「隙あり! 巫女巫女ビーム!」
さっちんは両手の2本の指を額に当てて、光線を出した。...しかし、効かなかった。

さ「寝起きだから、力が出ない」
ミ「技の名前、ださいな。 水系魔法使えないけど、炎には炎で勝負。猫王炎殺拳!」
さ「そっちの技の名前もださいよー」
カ「ふふん。効かない効かない。」
ミ「これは、なかなか骨が折れるぞ。」

う「ねぇねぇ あいつ倒したら、朝ごはんにパン買ってきてくれる?」
ミ「うん。いいよ。パン買ってくるほうが楽だわ。」
う「『キキのパン屋さん』で、メロンパンと プリンパンと 明太子フランスを よろしく!」

『キキのパン屋さん』とは北区ジェスル駅前にある超人気店。魔法のパン屋。
バストアップ効果あり! メロンパン。
くびれるウエスト! ふんわりプリンパン。
愛されスラリ美脚に! 明太子フランス。
うっちんがリクエストしたのは人気の超高いパン。

人気のパンだから売り切れてるかもしれないけど、売り切れてたら売り切れてただ。
魔法のかかってないパンも美味しいし。チョココルネとか買って帰れば良いだろう。
「うっちんさん、やっつけちゃってちょーだい」

うっちんは、地面に魔法陣をささっと描いて呪文を唱えた。
う「パルプンター!」
山のように大きな魔神が恐ろしい笑い声を上げながらやってきた!
魔神がカルメンをぶん殴るとカルメンはぶっ飛んでアッという間に見えなくなった。

ミ「魔神、つえー!」
さ「魔神、かっこいい!」
ミ「って、『パルプンタ』って、何が起こるか分からない呪文でしょ?」
う「覚えたばかりだから使ってみたくて。いやー、上手くいって良かった良かった♪」
ミ「もし、上手くいってなかったら?」

う「何が起こるかわからないからなぁ。この神社どころか街が消えて無くなったかもね。」
ミ「こわっ!」
さ「ねぇ 疲れちゃったから、寝てきていい?」
ミ「寝てばっかりやん! 一番仕事してないんだから、燃えた鳥居のとこ掃除してよ。」

さっちんは、めんどくさそう。
さ「掃除かぁ。掃除ねー。うーん。 パルプンタ!」
ミ「えっ!」
 ...さっちんの声は あたりに響き渡っただけだった。

さっちんは燃えた鳥居の片付け、
うっちんは お札やお守りの授与所へ(お客さん来ない間は お札の作成)、
私は『キキのパン屋さん』へパンを買いに向かった。


上御猫神社では、交通安全・安産・縁結び・商売繁昌・合格祈願・除災招福・病気平癒などなど各種お札・お守を一年を通じて授与しております。
6時から日没まで。ジェスル駅より徒歩5分。駐車場あります。
上御猫神社においでませ☆