背骨レッスンというものをアップの一つとしてよくやります。

鴻上尚史さんの「発声と身体のレッスン」に載せられていますが、これは背骨を尾骨から頭蓋骨内部にある頸椎まで、椎骨を一つ一つ真っ直ぐにしていくレッスンです。

とは言ってもイメージの中で真っ直ぐにしていきます。

まず上半身を脱力し、例えば小人が階段を一段一段登って行くように、真っ直ぐにしていくわけです。

このスピードが早かったりすると小人が落ちてしまいます。
一番高い位置に小人がいるように真っ直ぐにしていきます。

このレッスン、僕はワークと言うほうがしっくり来ますが、二人でやる作業から始めることが多いです。

この作業=ワークをする時には、タイトルのエックス線を当てているかのように、透視画像を見るかのような想像力が必要になります。

実際、演出をしているとき、つまり芝居を見ているときには、俳優の身体を見ています。
もう少し自分の感覚に正確に表現すると、身体が次に動きたがっている感じや窮屈な感じ=台本やその場で共演者たちが創造した空間にそぐわない身体かどうかを見ています。

それは、ある種の透視ではないかと考えています。

その違和感というのは、意外にはっきり分かります。


そういう話でいくと、俳優と語っていて、その俳優が本当に伝えたい感覚を聞き出す、汲み取る時もエックス線を使っているかもしれません。

また台詞の向こう側にあるものを掴もうとすることもそうです。
こうなってくると「洞察力」と言い換えるべきかもしれません。

ドラえもんの道具にありそうですが、人の心のうちにある本音を見ることが出来るエックス線のような能力があればと願うこともありますが、こればっかりは洞察力を磨くしかありません。