訳あって、というより訳も分からず、4人の素人に落語を教えることになってしまった二つ目の今昔亭三つ葉。
自分の落語だけでなく恋や人生も悩んでいるのに、様々な事情を抱えた4人とチグハグな時間を過ごすことになります。
そして、その先にあったものは、、、
不器用でも、強くなくても、上手に戦えなくても、それでも「自分は変わりたいんだ」と思い続ければ、必ずいい出会いがあって、いい方向に進むことができると思える1冊です。
佐藤多佳子と言えば「一瞬の風になれ」や「夏から夏へ」など陸上競技モノは読んだことがあるので、どちらかと言えばスポーツ系の話を書く人かと勝手に想像していました。
調べてみれば、この小説は13年前の作品で、そのような気配は全然ありません。
でも、どこかで同じ匂いが感じられます。
落語家が主人公だからということも関係しているのでしょうか、文章の中に使われる比喩がとてもユニーク。
さりとて、変にひねって小難しいことにはなっていない。
その場の空気を感じさせる文章で、とても勉強になりました。
全416ページ。土日を挟んで朝夕の通勤も入れて5日で読了。
もう少し読んでいたかった、とても温かい小説でした。
じゃ!