民主党の大勝で新しい政権の行く末に誰もが注目しています。

話題は主に子育て支援と高速道路無料化の財源に集中しているようですが、どうも卑近な議論にとどまっているように思います。


今の国家予算の無駄を回せばいいという考えだけで予算を付け替えるのであれば、財政はなにも改善されません。

800兆円とも言われる財政赤字を将来に向けてどう解消してゆくのかというグランドデザインがないままに、今あるお金を分配するだけであれば、もしかしたら家計に配分されたお金が単に貯蓄に回されて、結果的にお金が社会に回らなくなって、不況が長引くことも考えられます。


一見、心地よい話に乗せるのではなく、10年、20年先まで考えたシナリオも提示して欲しいですね。


民主党に投票した人の中には、子供支援金で毎月お金が貰えることに期待して入れた人もいるでしょう。民意と言う意味では、だからそれを実行べきだという意見もあると思います。


しかし民主党への票の多くは、自民党への反対票であったこと、言い換えれば官僚主導、公共工事依存の政治に対する反対の意思表示であったとも言えます。

その人たち全てが子育て支援と高速道路無料化まで賛成していたかと言えば、それはないでしょう。


子育て支援を否定する人はいません。

子供に満足な教育を受けさせる。自分の好きな道を歩ませる。子供の将来に希望が持てる環境をつくることはとても大切です。

では、その答えが「一律2万6千円を払えば、後は何とかなるだろう」という政策かというと疑問が残ります。

このような議論になると、「欧米のどこそこの国では、これだけ支援している。日本は遅れている。」などと言う人もいますが、社会基盤が違う状況での比較はナンセンスですね。

ボクには本当にお金がないから出生率が下がっているとは思えないのです。

高速道路無料化にしても、受益者負担ということを視点に入れれば、鉄道網や公共交通機関が発達している日本で高速道路だけを無料にする理由がどこにあるのかがわかりません。

これまでが道路特定財源として利用されていたものを適正な料金をとることでその財源を財政改善に回せるようにしればいいことだと思います。


人は一旦権利を手にすると離すことには相当の抵抗を示します。

このような人気取り政策を始めたら、減額や変更には相当の非難が寄せられ、政権にも影響が出るためなかなか動かすことはできません。


取得するために義務や努力があるからこその権利です。

今の日本人には権利に対する義務、それは言いかえれば日本人としての誇りが欠けているのではないかと思えて仕方ありません。

既得権よりその権利を受ける権利、取得権があれば人はそれに向けて努力します。

棚ぼた式の権利には歓迎の意をその時は示すかもしれませんが、それは民主党に対する謝意ではなく、お金が入ってくることへの喜びにしかすぎない。

民主党も「まず政権を取らなければ始まらない」ということでこのようなマニュフェストを提示しているのだとすれば国民をばかにしているとしか思えません。


反対に衆議院で圧倒的に議席を取っているのだから、いくら参議院で過半数なくても無理して社民党、国民新党と連立を組む必要はないのに組むってことは、これらの政策を修正するいい訳に使う?と言うのは穿った見方でしょうか。


言いだしたがために、それに縛られてしまうことの怖さ。

心地よい言葉の怖さ。

民主党の政策の浅はかさが露呈し、政治不信がさらに深まらないよう見つめてゆきたいと思います。


じゃ!