スチル・ネタバレありです!
薄桜鬼ポータブル(PSP)を未プレイの方や、攻略中の方はご注意下さい!
※攻略や、夢小説ではありません。
薄桜鬼ポータブルのソフトが手元から無くなる予定になりそう
でも後々内容を思い返したい!
……と思ったので、ゲームのスチルシーンそのままです~(スチル出現前後)
前編![]()
新選組の最期を見届ける為、風間千景は主人公を薩摩藩のつてを利用し、蝦夷の地まで連れて行く。
ついに戦争は終わったのだ。
七月だと言うのに蝦夷の陽光は柔らかく、涼しい夏服が肌の熱すら冷ましてくれる。
ち「ここが……五稜郭なんですね」
あたりを見回しながらぼんやりと呟く私に、彼は【そうだ】と浅いうなずきを返した。
かざま「ここで全てが終わった」
ここが……,最後の場所。
風間さんは箱館で起きたことを、全て詳細に調べ上げてくれていた。
四月九日ーー、
新政府軍は蝦夷地上陸を開始する。
五月十一日ーー、
新政府軍が,箱館総攻撃を決行する。
五月十四日ーー、
弁天台場の旧政府軍が降伏する。
五月十八日ーー、
最後の砦である五稜郭も降伏し、ついに旧幕府軍の戦争は終結する。
ち「土方さんは……?」
新選組を率いていた土方さんは、どのような結末を迎えているのか。
風間さんは微かにためらった後、感情を乱さず平淡な声で答える。
か「五月十一日の総攻撃の日に戦死したらしい。弁天台場にいる新選組を救出しようとして銃で撃たれたそうだ」
ち「……土方さんが、戦死……」
殺しても死なないような、あの人が……。
風間さんはあたりを見回しながら、ため息でも吐くような調子で言う。
か「気が済んだか?」
ち「………」
自分でもよくわからなかったから、私は彼の問いに答えられなかった。
そのとき………。
不意に、名残を見つける。
草葉の間に落ちていたそれに、私は思わず手を伸ばしていた。
ーーすりきれた【誠】の旗。
新選組がこの地で戦っていた、この地に居たという証。
父様が死んで以来こぼれなかった涙が、せきを切ったように溢れ出してきた。
私は、何をしたかったのだろう。
皆は、何をしたかったのだろう。
彼らの迎えた結末が悲しいのか、新選組との別離が悲しいのか、自分の気持ちがよくわからない……。
ただただ、涙ばかりがこぼれ落ちる。
ち「………」
私は、声を押し殺して泣いた。
風間さんは私が泣き止むまで、何も言わず待っていてくれた。
私は手の甲で涙を拭うと、間を埋めるように口を開いた。
ち「この国を分けた戦いは……、何の為に行われたんでしょうね」
戦いの結末は、大きな犠牲だ。
風間さんは静かな声で答えてくれる。
か「新しい組織が古い体制と組織を一掃する戦だ。権力、名声、金……それらの奪い合いだ」
ち「でも……、それだけじゃないですよね?」
きっと彼も認めてくれると信じながら、私は小さな声で反論した。
ち「少なくとも蝦夷で戦った人たちは、違う何かを求めていたのだと思います」
戦えば負けると知りながらも、新選組は抗うことを選んだのだ。
最後まで戦い続けた彼らが望んでいたのは、官軍を打ち負かしての勝利なんかじゃない。
決して、奪うために戦っていたわけじゃない。
か「そうだな……ここは夢にしがみつき、侍を捨てきれなかった奴らがたどり着いたところだ」
ち「新選組の皆は……」
私は、破れた【誠】の旗を抱き締める。
か「恩義を忘れることが出来ずに、新しい時代に乗れなかった……乗ることが出来なかった大馬鹿野郎どもさ」
ち「……彼らは、武士でした」
馬鹿だなんて言って欲しくなくて、私は涙をこらえながら再び反論する。
ち「ゆずれないものがあったから、流れに乗らない道を選んだんです」
か「……ふん。だが、あいつらは最後まで己の志に従って戦った奴らだ」
掲げた志に背けないあの不器用さは、馬鹿と評するに値すると彼は紡いだ。
私は何も言い返さずに目を伏せる。
すると……。
か「そんな馬鹿な奴らは……嫌いじゃない」
風間さんは不意に柔らかな声で呟き、とてもおだやかな眼差しを私に向けた。
ち「………」
言葉にしたい何かが胸に生まれて、私は無意識に唇を開きかける。
でも、思いは言葉になりきらなくて……。
冷えた風が、私たちの間を吹き抜けていく。
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