スチル・ネタバレありです!
薄桜鬼ポータブル(PSP)を未プレイの方や、攻略中の方はご注意下さい!
※攻略や、夢小説ではありません。
薄桜鬼ポータブルのソフトが手元から無くなる予定になりそう
でも後々内容を思い返したい!
……と思ったので、ゲームのスチルシーンそのままです~(スチル出現前後)
事件想起二
■壱
■弐
☆キャラ分岐☆
永倉新八ルート
前編
☆ちょっと心細い
浪士達は、何を企んでいるんだろう?
ちょっと心細い……。
不安に駆られながら、座敷の様子を窺っているとーー。
君菊「千鶴はん、逢状かかりましたえ。向こうの広間に行ってくれはりますやろか?」
ちづる「えっ?逢状ってーーどなたかが私を指名してくれたってことですか?一体誰が……」
ここに来たばかりの私のことを知っている人なんて、いないはずなのに……。
すると君菊さんは悪戯っぽく笑ながら答えてくれる。
君菊「それは、行かはったらわかります。さ、早よお行きやす」
ち「は、はい……」
浪士達の様子は気になるけど……。
君菊さんに言われるまま、私はお客さん方が待っている座敷へと向かった。
ち「こんばんは、千鶴と申します。お手柔らかにお願いします……」
緊張しながら三つ指をつき、お客さんに自己紹介するとーー。
永倉「千鶴ちゃん、そんな堅苦しい挨拶しなくていいって。ほら、顔上げて」
ち「えっーー?」
聞き覚えのある声に慌てて顔を上げるとそこには……。
左之助「よう、千鶴。邪魔してるぜ」
近藤「ふむ…何度見ても、その着物がよく似合ってるなぁ」
藤堂「こ、こんばんは、千鶴」
ち「近藤さん、永倉さん、原田さん、平助君……。どうしてここに?」
永倉「ん?それはまぁ……今日の隊務も無事に終わったことだし、明日への活力をつけようと思ってよ」
近藤「今日は、俺のおごりだ。勘定は気にせず、好きなだけ食べてくれ」
永倉「近藤さん、よく言った!そんじゃ遠慮なく、品書きに載ってる一番高い物から食わせてもらうぜ!」
ち「は、はあ……」
私が戸惑っていると、お酒や料理ののった膳が次々に運び込まれてくる。
私、浪士達の内偵のためにここに来てるはずなんだけど……いいのかな?
左之助「……ま、今は難しいこと気にせず、楽しんでやれよ。根詰め過ぎんのも良くねえだろ」
ち「はい……わかりました」
皆、あっという間に酔いが回った様子で、楽しそうに騒ぎ始める。
永倉「どうだ、千鶴ちゃん?楽しんでるか?」
ち「あっ、は、はい……。お酒は呑めないので、お料理だけいただいてます」
永倉「なあ近藤さん、あれやってくれよ、あれ!まだ彼女にはみせてねえだろ?」
近藤「そうだな。よし、任せてくれ!」
ち「【あれ】って、一体なんですか?」
すると近藤さんは、右の拳を強く握り締めーー。
近藤「種も仕掛けもないこの拳が、あっという間に消えてしまう大奇術!よく見ててくれたまえ……!」
大きく開いた口の中へと、その拳を収めてしまう。
永倉「待ってました!!妖怪・大口男!色町でわざわざこれを披露する、あんたの男気に惚れた!女にもてる気なんて、欠片もなし!」
酔っ払った永倉さんは、はしゃいで拍手喝采する。
ち「す、すごい……!近藤さん、それ、どうやってるんですか?」
近藤「ん?ほへは、はふはふはふへほふへひ、ひひふへはひふふへ……」
原田「近藤さん、しゃべるんなら口からゲンコツ出してからにしようぜ」
近藤さんや永倉さん、原田さんが盛り上がっている中……。
ち「……あれっ?」
いつもなら一緒にはしゃいでいるはずの平助君が、随分静かなのに気付く。
彼は物憂げな表情で奥の席に座ったまま、お料理に手もつけずに座り込んでいた。
原田「おい千鶴、どうした?ちゃんと見てやらねえと、近藤さんが可哀想だろ」
ち「いえ、あの……平助君、元気がないみたいなんですけど……何かあったんでしょうか?」
すると原田さんは、ちらっと平助君の様子を窺ったあと……。
原田「……ああ、あいつは放っとけ。心配する程のことじゃねえから」
ち「はあ……」
そう言われても……
平助君をこのまま放っておいてもいいのかな?
☆このまま楽しむ
平助君の様子が気になる
……そっとしておこう。平助君も、あんまり詮索されたくないかも知れないし。
そう思った私は、お膳の料理に箸をつける。
それから改めて座敷の中を見回してみるけど、他に芸者の姿はない。
永倉さんは、明日への活力をつけるためにここに来たって言ってたけど……。
ち「あの……原田さん、質問してもいいですか?」
原田「ん?何だ」
手酌でお酒を呑んでいた原田さんが、こちらを振り返る。
ち「皆さん、どうしてここにいらしたんです?お酒を呑んで楽しみたいなら、芸者さんをもっとたくさん呼んだ方がいいと思うんですけど……」
すると原田さんは口角を軽く上げ、微笑みながら答えてくれる。
原田「……近藤さんの提案なんだよ」
ち「近藤さんの……?」
原田「ああ。おまえがしょんぼりしてるらしいって報告を、監察方から受けて、もしかしたら嫌な客に当たってんじゃねえかとか、他の芸者にいびられてんじゃねえかって心配してな。
だから、おまえを元気づけてやろうってんで、皆で来て見たって訳だ」
ち「そうだったんですか……」
皆、私のためにわざわざこうさて来てくれたんだ……。
そう思うと、気を遣わせてしまって申し訳ないと思うと同時にーーすごく嬉しくなってしまう。
近藤「お、おい永倉くん。その辺にしておいた方がいいんじゃないか?盃を持つ手が危なっかしいぞ」
永倉「平気だって。俺がこの程度で酔っ払う訳ねえだろ。
しかし近藤さん、あんたいつから二人になったんだ?双子の兄弟がいるなんて話、聞いてねえが」
近藤「……いや、見ての通り、俺は一人しかいないが。……完全に酔ってしまっているようだな」
永倉「俺は、酔ってなんかいねえって。ほら、見ての通り、まるっきりのシラフ……」
そう言い終える前に、永倉さんは畳の上へと突っ伏し寝息を立て始める。
原田「やれやれ……。てめえの限界もわきまえずに呑むところは、相変わらずだな」
近藤「どうする?雪村君。内偵の続きもあるだろうし、我々はそろそろ退散した方がいいかね」
ち「えっと……」
どうすればいいんだろう?
お帰りになった方が……
★永倉さんを介抱する
原田さんはどうしますか?
屯所に戻るにもまず、永倉さんに起きてもらわないといけないよね……!
ち「な、永倉さん、大丈夫ですか?しっかりしてください……」
私は永倉さんを介抱するけれど、彼は気持ち良さそうにいびきをかき始める。
原田「……駄目だな、こりゃ。こうなっちまったら、しばらく起きねえよ」
近藤「雪村君、少しの間、彼を寝かせておいてあげてくれるかね。目が覚めたら、屯所に戻るよう言ってくれればいいから」
ち「……わかりました」
原田「とりあえず、座敷に転がしといても片付けの邪魔だよな。こいつ、どこか別の部屋に移した方がいいんじゃねえか?」
ち「あっ……そうですね。それじゃ、向こうのお部屋に……」
その後、私は近藤さんや原田さん、平助君を見送ってから……。
熟睡した永倉さんのいる部屋へと戻ってくる。
永倉さんは気持ちよさそうにいびきをかいていて……
目を覚ます様子はなかった。
……さてと、これからどうすればいいんだろう?
一応、冷やした手ぬぐいを持ってきた方がいいのかな?
首の後ろを冷やすと、酔いが冷めるのが早いって聞いたことがあるし……。
そう思って、立ち上がった時ーー。
永倉「んっ、ん……?どこだここ?どうして俺、ここにいるんだ……?」
永倉さんが、ふらりと立ち上がる。
ち「あっ、永倉さん!大丈夫ですか?」
永倉「あ~、大丈夫大丈夫!平気の平左の屁のカッパ!この俺様が、あの程度の酒で酔っ払うはずなし!」
ち「そ、そうですか……」
自分では、酔ってないって言ってるけど……。
永倉さんはいつもに輪をかけて饒舌でーーどう見ても、まだお酒が残ってるみたい。
もう少し酔いが覚めるまで、ここにいてもらった方が良さそう……。
やがて彼は急に顔を寄せてきて、まじまじと私を見つめてくる。
ち「な、永倉さん!?どうなさったんですか?」
永倉「いや、よく見るとあんた……千鶴ちゃん?」
ち「あっ、はい。そうですけど……」
永倉「やっぱ、そうか!いや、俺はな、それこそ神代の昔から、君は磨けば光るって思ってたんだよ!」
永倉さんは上機嫌で、私の肩をばしばし叩き始める。
ち「な、永倉さん、痛いですってば……!」
すると今度は私の肩に手を置き、おいおいと泣き始めて……。
永倉「なのに……なのに俺達は、こんだけべっぴんな君に男の格好なんてさせちまって……!
一体、どう詫びりゃいいんだ!?美人ってのは全人類の共有財産なのに、それを隠すような真似しちまって……!」
ち「い、いえっ、私は別に気にしてませんから……」
永倉さんの百面相に苦笑いを返しながら、そう答えると……。
今度は急に居心地悪そうに頭をがりがり掻きむしりながらーー。
永倉「いや、何つうかその……改まってこういうこと言うのも、すっげえ照れくせえんだけどよ。
……その着物、よく似合ってるぜ。千鶴ちゃん」
照れくさそうに視線をそらしつつ、ぼそりと言ってくれる。
ち「そ、そう……ですか?ありがとうございます……」
今の言葉は、お酒が入ったからこそ出たものだっていうのはわかってるけど……。
それでも、こんな風に褒め言葉をもらえるのはすごく嬉しい。
永倉「と、やべ、頭がズキズキしてきた……!俺ともあろうものが、ちょっとだけ酔っぱらっちまったか?」
ち「だ、大丈夫ですか!?お水、持ってきましょうか」
永倉「いや、水はいらねえ。こうしてりゃ治るから…」
ち「あっ……!」
永倉さんはそのまま私の膝に顔を埋めてしまう。
ち「ちょ、ちょっと……!困ります、永倉さん……!」
永倉「大丈夫、大丈夫……。ちょっとの間だけだって……」
言いながら、永倉さんは気持ち良さそうに目を閉じる。
ち「ちょ、ちょっとの間って……!」
そう声をかけるものの、彼は心地よさそうに瞑目したままいびきをかき始めてしまう。
無理にどかすのも悪いし……
どうすればいいの?
当初は、私も戸惑うばかりだったけど……。
永倉さんの無邪気な寝顔を見下ろしてると、我知らず笑みがこぼれてしまう。
ち「もう、永倉さんってば……」
彼を起こしてしまわないよう、固そうな髪をそっと撫でてみた。
永倉さんは目を閉じたまま、口の中で何かをもごもごと呟いている。
その姿はまるで、遊び疲れて眠ってしまった子供みたいで……。
年上の男性をこう思うなんておかしいかも知れないけど……
すごく可愛らしく見えてしまう。
と、その時……。
浪士八「新選組の屯所の……そうだ、西本願寺だ」
隣の部屋から、浪士達の話し声が聞こえてくる。
浪士八「坊主共にでも金を握らせてあそこに火をかけ、騒ぎに乗じて新選組の幹部共を殺害するのは……」
永倉「新選組だって!?」
その言葉を耳にした瞬間、永倉さんは弾かれたように起き上がった。
そしてーー。
襖を開けて広間へと飛び込み、大声で名乗りをあげる。
永倉「新選組二番組組長、永倉新八だ!てめえら、今の話、詳しく聞かせてもらうぜ!」
浪士八「し、新選組だって!?どうして、奴らがここにーー」
浪士九「構わねえ、やっちまえ!近くに仲間はいねえみてえだしな!」
永倉「何だ、戦うつもりか?悪いが、酔ってるから手加減はしてやれねえからな!覚悟しとけよーー」
その後、浪士達との大乱闘の末、永倉さんは見事、勝利を収めーー。
彼らの口から、新選組屯所の襲撃計画を聞き出すことに成功した。
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