スチル・ネタバレありです!
薄桜鬼ポータブル(PSP)を未プレイの方や、攻略中の方はご注意下さい!
※攻略や、夢小説ではありません。
薄桜鬼ポータブルのソフトが手元から無くなる予定になりそう
でも後々内容を思い返したい!
……と思ったので、ゲームのスチルシーンそのままです~(スチル出現前後)
明治2年5月18日、旧幕府軍の降伏で、ようやく戦争が終結した。
新政府軍と激戦を繰り広げた会津松平家は、領土を大幅に削られ、東北の最北端にある斗南へと国替えになった。
最北の地、斗南は、草木すら育たない酷寒の場所だ。
人員も最小限しか連れてはいけない。
多く連れていっても、食べるものすらないのだから。
そんな会津藩から、斎藤さんに連絡があった。
貧しい暮らしになるだろうけれど、共に斗南へと来て欲しいと請われたのだ。
斎藤さんは当然、斗南行きを了承した。
もちろん私も、斎藤さんについていくことを決めた。
そして、月日は流れーー。
……斎藤さん、どうしたんだろう?
仕事はとっくに終わってる時間なのに、なかなか帰って来ない。
また薄着で出かけてるんだろうし……、迎えに行った方がいいのかも。
家を出て少し歩いた所で、斎藤さんの姿を見つけ、大きく手を降りながら声をかける。
ちづる「斎藤さ~ん!」
だけど斎藤さんは立ち尽くしたまま、こちらを振り返ろうとしない。
……距離があるから聞こえないのかな?
そう思って、斎藤さんに走り寄る。
ち「斎藤さんってば、こんな所で何してるんですか?しかも、またそんな薄着で……」
だけど斎藤さんは、こちらを振り向いてくれない。
ち「斎藤さん!どうして返事してくれないんですか?私の声、聞こえてるはずじゃないですか」
手を伸ばせば届く距離に立っているのに、それでもこちらを振り返ってはくれない。
ち「斎藤さんってば!どうしたんですか?」
前に回り込もうとすると、また背中を向けられてしまう。
……一体、どういうことなの?
立ち止まって考えてみると、ある理由が思い当たる。
ち「一さん!いい加減、こっちを向いて下さい!」
そう声をかけると、ようやくこちらを振り返ってくれた。
は「……ただいま、千鶴」
ち「ただいまじゃないです……!こんなに寒い所で、一人で何をしてるんです?」
は「ここで待っていたら、おまえが迎えに来ると思った」
ち「私が来るって……、普通に帰ってくれば、会えるじゃないですか。
それより、今日もまたそんな薄着で出かけたんですか?
肩、冷えちゃいますよ」
は「別に、寒くはない」
ち「寒くはないって……、手がこんなに冷たくなってるじゃないですか」
ち「早く帰りましょう。
今日は一段と寒いですから……、家に帰って身体を温めた方がいいです」
そう言って、一さんを家へと連れ戻そうとするとーー。
ち「きゃっ、冷たっーー!」
氷のように冷えた手を、唐突にほほへと当てられる。
ち「な、何するんですか……!冷たいじゃないですか」
は「多分、あと少しで見られる」
ち「見られるって……、何をですか?」
は「すぐにわかる。待っていろ」
ち「???」
言葉の意味がよく分からないまま、一さんのかたわらに立ち尽くしているとーー。
は「……来た」
空を見上げたまま、彼が呟いた。
そして……。
空から、白い雪の粒がはらはらと舞い落ちてくるのが目に止まる。
ち「雪ですか……。
一さんが見せたいものって、これだったんですね」
は「……最初に落ちてくる一粒を、おまえと一緒に見たかった」
やがて、白い粒が少しずつその数を増やしていき……。
ち「……綺麗ですね、すごく」
斗南に来てから、珍しくはなくなった雪だけど。
それでも、こうして音もなく降ってくる雪は、神秘的なまでに綺麗で、儚くて……。
時が経つのも忘れて,見入ってしまう。
は「おまえなら、そう言ってくれると思った」
同じように空を見上げながら、一さんのさんが呟く。
……明治の世になってからも、混乱は続いた。
三百以上あった藩が消滅し、【日本】という新たな国が産声を上げた。
武士が受け取っていた禄もなくなり、大名もいなくなってしまった。
西洋の国を模範として国民全員を軍人ーー、つまり武士とする徴兵令を発布しようという動きもあるらしい。
また、諸外国に【野蛮だ】と指摘されることの多い、武士の特権・帯刀を禁止しようという動きもあるようだ。
ち「もうすぐ来てしまうのかもしれませんね、一さんが言っていた、刀を持たない武士の時代が」
空を見上げながら、そんなことを呟く。
は「刀を持たなくても、武士でいることはできる。自分の心を裏切らなければ、刀を持たなくとも、生まれがどうであっても、その人間は武士だ」
はっきりとした響を持って、一さんがそう呟く。
この地で暮らすようになり、陸奥の清浄な水を口にするようになって、一さんが血に狂うことはなくなった。
だけど、彼は何度も羅刹として戦いーー、寿命を縮めてしまっている。
この先、どれだけの時間が残されているのかはわからないけど……。
それでも、これから先に待ち受けているいくつもの岐路を、決して間違わず、後悔しないように進から。
私たちはきっと、幸せなんだと思う。
ち「……一さん。私たち、ずっと一緒にいましょうね」
は「ああ……」
しんしんと積る雪の中、一さんは、静かな声でそう言ってくれた。
斎藤さん、名前を呼んでもらうまで振り向かないとか。。。
可愛すぎる!!!!!!!!!
斎藤さんルートは他の人に比べて甘さがちょっと足りないのかな・・・?とか思ってたんですけど、この可愛さにあっとゆー間にやられました
静かな場所での二人だけの生活。
斎藤さんは言葉ではあんまり言ってくれないかもしれないけど、きっと態度で示して大事にしてくれるはず
