車椅子の彼女と文字盤で会話。
見て見て~と文字盤を見るよう
彼女が合図する。
「このまえ~
テレビでみたんだけど~」
「なにかひとにたのむとき~
やってやってっていうより~」
「いつもまるまるしてくれて
ありがとうって~いったほうが~」
「おたがいにきもちいいし~
してほしいことが
つたわるんだって~」
と、彼女は得意気に私に言う。
私は彼女に、
「M、えらいね~、
感じた事は、人に話してごらん。
そうすると、しっかり自分の中に落ちてくるからね。」
うん、と言った表情で笑う顔はまだ子どもっぽさもあったけれど、
前の日に19才になった彼女の言葉は
とても
大人になったようにも思えた。
言葉は魔法。魔法の言葉。
M、お誕生日おめでとう。
優しい大人になってほしい。