日本未来の党 | 雑雑談談

日本未来の党

期待と不安が交錯する「日本未来の党」
陽光堂主人の読書日記
http://yokodo999.blog104.fc2.com/より

滋賀県の嘉田由紀子知事が立ち上げる新党「日本未来の党」に、
「国民の生活が第一」や「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」、
「みどりの風」(衆院のみ)が合流することを決めました。
電光石火の早業と言われていますが、3カ月ほど前から小沢氏や亀井静香氏らが
嘉田知事に働きかけていたようです。

 嘉田知事が二の足を踏んでいたのは、
日本維新の会の橋下大阪市長の原発に対する態度が見極められなかったからです。
太陽の党と合流して脱原発路線が後退したので、見限って新党の立ち上げを決断しました。

 新党の党首は嘉田知事ですが、本人は出馬せず、代表代行には
「環境エネルギー政策研究所」所長の飯田哲也氏が就任します。
小沢氏や亀井氏らは党のイメージを考えて、敢えて表に出ないようにしているようです。
女性を党首にして脱原発を掲げれば、女性を中心に支持が集まると計算したのでしょう。

 同じような政策を掲げる小政党が乱立していますから、
一本にまとめた方が議席を取りやすくなります。
急拵えの野合だという批判が出ていますが、
小選挙区制のもとでは極力票をまとめる必要がありますから、
そんな批判は的はずれです。発言力は数に比例するので、
死票は極力少なくする必要があります。

 この動きに焦った維新の会の橋下氏は新党を批判して、
「脱原発などできっこない。何故なら実行したことがないから」などと
支離滅裂な発言をしています。そんなことを言ったら、維新の会の核武装も
TPP参加もできっこありません。実行したことがないのですから。

 ネットでも好感を持って捉えられているようですが、
この動きに簡単に賛同するわけには行きません。大同団結するのはよいですが、
投票日まで3週間を切った今の段階で新党を結成するは選挙戦術上、
得策とは言えません。

 大半の国民は群立する小政党の名前など知らず、
ましてや政策の違いなど判りません。区別が付くのは、自民、民主、公明
といった古くからある政党と、日本維新の会、それに「国民の生活が第一」ぐらいです。
そこに新たな政党ができても、多くの国民は「はぁ?」と言う感じです。

 大同団結するなら「国民の生活が第一」に吸収すべきですが、
小沢氏に対するアレルギーからか、全く新しい党名になりました。
しかも、「日本未来の党」という名前は、「日本維新の会」とよく似ています。
間違える人が出てくるかも知れません。

 日本未来の党の政策要綱を見ても、「『卒原発』への道のりを定めます」
とあって、「卒原発」という聞き慣れない言葉が使われています。
何だか大人が子供に、「もうそろそろ原発を卒業したら」
と語りかけているような雰囲気です。

 まあ、その点はよいのですが、卒原発の道のりは遠そうなので、
脱原発の理念が後退した感は否めません。
政治家も本音では直ぐに廃炉にするのは無理と考えていますから、
現実的と言えば現実的ですが…。

 消費増税法も「凍結」となっていて、廃止ではありません。
民主党の事業仕分けのように、適当にお茶を濁してから「増税止むなし」
となる伏線が引かれていると見ることもできます。
TPPの交渉参加には反対していますが、FTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)
には前向きです。この点も、突っ込みどころがありそうです。

 一番問題なのは賛同者で、菅原文太や鳥越俊太郎はよいとして、脳科学者の茂木健一郎はグローバリストのようだし、代表代行に納まった飯田哲也氏は維新の会のブレーンだった人です。橋下に失望したのでしょうが、一言説明が欲しいところです。

 取り分け問題なのが京セラ創業者の稲盛和夫で、小沢氏と親しく、
前原誠司の後援者でもあります。それに稲盛財団は、CSIS(戦略国際問題研究所)内に
人材育成機関「アブシャイア・イナモリ リーダーシップアカデミー」を設置しています。

 CSISは日本をコントロールする役割を担っており、
稲盛財団はジャパン・ハンドラーズに協力しています。
こういう人間が賛同するのは問題で、小沢一郎の関係でこうなったとすれば、
小沢氏も可笑しいということになります。

 政権の中枢にいれば、米国の支配層との関係が生まれますから
ある程度は致し方ありませんが、外から見ていると怪しさを払拭できません。
本人は釈明などしないでしょうから、今後の行動を見て判断するしかありません。

 日本未来の党は、民主党や日本維新の会と違って
執行部の意思を押し付けるようなことはしないと思われるので、
他の議員がしっかりとしていれば暴走は防げると思います。
取り敢えず、一番ましな政党だと言えるんじゃないかと思います。