米中戦争は・・・ない | 雑雑談談

米中戦争は・・・ない

米中接近で無策の日本は孤立化する
陽光堂主人の読書日記
http://yokodo999.blog104.fc2.com/より

中国の税関が日本製品の通関手続きで、検査を強化し始めました。
尖閣国有化の報復であることは明らかで、いつもながら子供じみた振る舞いをする人たちです。
以前はレア・メタルを輸出制限しましたから、またかという感じです。

中国経済は欧州金融危機の影響もあって失速しており、在庫が異常に積み上がっています。
格差も広がっていますから、このままでは国民の不満が爆発して、
共産党支配が揺らぎかねません。そこで上手い具合に降って湧いたのが東京都による
尖閣買取の話で、中国政府はこれを使って国民のガス抜きを謀ることにしました。

それで反日暴動となったのですが、米国大使館やイタリア領事館などにも飛び火したので、
中国政府は慌ててデモを抑制。尖閣諸島周辺に監視船を派遣したり、
日本製品の輸入を制限したりといった陰険な方法に切り替えました。
日本企業にとっては、踏んだり蹴ったりの状況です。

このままでは、中国経済の失速も日本のせいにされかねず、充分な警戒が必要です。
日系企業の受けた損害は、きっちり補償させる必要があります。
保険に入っているからと泣き寝入りしてしまったら、一層舐められるだけです。

パネッタ長官が習近平に対して、2014年の環太平洋合同演習(リムパック)
への参加を要請したことを青天の霹靂のように思っている人がいますが、
これは別に驚くような話ではありません。

外交関係はいずれの国に対しても和戦両様で臨むべきもので、
この点は敵性国であろうと同盟国であろうと変わりません。
米国にとって日本は一応同盟国ですが、敵国としても捉えています。
でなければ、国内にこれほど米軍基地は存在しません。

中国対しても、米国は和戦両様の構えで、敵国と決めつけているわけではありません。
米国は絶対に勝てると踏まなければ戦争を仕掛けませんから、
中国と事を構えるつもりなど、元々ありません。
敵性国家として位置づけておけば、政治経済上都合がよいのでそうしているだけです。

環球時報のアンケートで明らかになったように、
6割以上の中国国民は尖閣騒動の裏側に米国がいると見ており、
その疑念を払拭するためにパネッタが飛んでいって合同演習を持ちかけたのです。
このままでは国益を損なうと、米国政府は判断したのです。

米国にとって日中のどちらが大事かと言えば、当然中国です。
我々にとって不愉快な話ですが、日本は所詮属国に過ぎませんし、
将来性という点から言えば、誰が見ても中国です。
米国としては、日本から搾り取れるだけ取ったらもう用済みですから、
それまでの関係でしかありません。ドライですが、現実はこんなものです。

永遠の同盟国など観念の世界の中しか存在しませんから、
我国政府も米国との関係は和戦両様で行くべきで、
戦争になった場合のシミュレーションをして対策を立てて置かなければなりません。
それが世界の常識ですが、米国様に楯突くという大それたことなど考えられないようなので、
何の検討もなされていない模様です。

米国と戦争して勝てるわけがないだろうと思う人が多いでしょうが、
あらゆる事態を想定して国家の存続を図るのが政府の責務ですから、
最悪の事態にも備えて置かなければなりません。
ロシアや中国と良好な関係を築いておけば抑止力になりますから、
こうしたシミュレーションがなされていれば、今回のような騒ぎは避けられたはずです。

米英両国は緊密な同盟国とされていますが、
お互いに仮想敵と見做して万一の事態に備えています。
米国はイギリスと戦争して独立を果たしましたし、
その後米英戦争もありましたから当然の措置です。

米国と我国は70年前に死力を尽くして戦っています。我国は中国とも戦争しました。
しかし、米中間で直接ぶつかり合ったことはありません。
米国が日中どちらの国を信用しているか、明らかです。
米中の仲は、日本人が思っているよりずっと緊密です。

米国戦争屋が計画しているのは日中戦争であって、米中戦争ではありません。
いざとなったら中国との同盟関係構築すら厭わないでしょう。
我々日本国民は、こうした冷徹な事実を見据えなければなりません。
日米間は「緊密な同盟関係」で結ばれているとよく言われますが、
それを信じるのは余りにナイーブ過ぎると言わざるを得ません

日中間が冷え込むと同時に、米中が接近し、我国が孤立化する恐れも出てきました。
現実を見据えていれば充分に予測できる展開ですが、
政府は無為無策なので何の手も打とうとしていません。
本日野田が再選される見込みですが、全く絶望的な状況で、
いよいよ亡国が避けられない事態となって来ました。