ああ、会ったその日に結ばれるなんて、私ってそんなに軽い女だったの。
朝になると、反省文がいっぱい書けそうなくらい後悔した。
そう、ルカの顔を見るまでは……。
でもルカの顔を見た途端、反省文が真っ白になった。
そして一面お花畑の世界が広がった。
それはまるで夢の世界。
そうだ、ディズニーランドに行こう。
今度こそ、ディズニーランドに行きたいよ。
ルカの横顔を見ながら、ミッキーマウスの落書きがしたくなった。
マジックを探した。
と、手鏡に自分の顔がうつった。
「何よ、これ!」
またやられた。
桃花の顔中に落書きがしてあった。
「油断大敵」
ルカの声。
振り返ると、ルカの手にマジックが握られていた。
また渦巻きだ。
芸がない。
マジックを奪おうとじゃれ合ってると、時間を忘れる。
まるで別れた時間がなかったかのように、続きの恋が始まった気がした。
浮ついた気持ちを抱いたのは、私の方が先立ったわけだし、私にフラれたことが原因で、キャバ嬢に騙されたんだし、私に責められるはずなんてないじゃない。
それに私、やっぱり、ルカが好きだって気がついた。