タイトル「森ガールと盛りあガール」 116 | 可愛い君に愛を囁きたい

「娘の名前は?」

「愛海」

「あいか?」

「そう、愛する海って書いて、愛海って言うんだ」

 中山愛海!

 まさか、同姓同名?

「可愛い子なんだよ」

 桃花は急に気になってしょうがない。

 まさか、あのキュートな愛海のパパがこんな化け物のはずが……。

 でも愛海から父親の話を聞いたことがない。

 そうだ、いつもママの話はするが、父親の話をしない。

 でも、まあ普通そうだ、私だって、父の話なんかしない。

 そうだ、きっと同姓同名なだけだ。

 じゃないと、愛海が可哀想。

 愛海のイメージが台無しじゃないの。

 でも気になるじゃない。

「写真か何か持ってる?」

 桃花は思い切って聞いた。

「見せたげるね」

 若菜ちゃんは照れくさそうにかばんを探った。

 そして一枚の写真を取り出した。

 そこに写ってるのは間違いなく、愛海だった。

 小学生くらいの愛海だが、面影が残ってる。

 いや、今だって幼く見える愛海そのものだ。

 ただランドセルを背負ってるから、小学生だと分かるだけだ。

 愛海のお父さんだったの?

 嘘でしょ。