「そうだ、今年さ、海に行かなかったでしょ」
えっ、海に誘う気?
「もうクラゲ出るよ」
「プール行こうよ」
「プール……NG」
夏だからって泳ぐことないじゃん。
「そっか、気にしてるんだ」とルカは桃花の胸元を見つめた。
「気にするなよ」
うん?何、気がついてるの。
「いいじゃん、そのくらいのこと」
森ガールじゃないことばれてる?
「しょうがないよ、変えられないものは」
やっぱ、誤魔化しきれなかったか。
たまに出ちゃったりしてたかもね。
森ガール。
「胸が小さいのを僕は知ってるし、それに気にしてないから」
そっち?そっちか……。
「誰も気にしてないんですけど」
「えっ、気にしてないんだ」
「当たり前でしょ、大きいと邪魔」
「じゃあ、気にしたほうがいいよ、小さすぎ」
そんな風に思ってたんだ。
ついに本心洩らしたわね。
「だからさ、プールに行こうよ」
「いやいや……」
タトゥーあるし……。
「カナヅチじゃないよね」
泳ぎは得意だ。
正直海も大好き。
そうよ、タトゥーさえなきゃ、湘南だって行きたい。