「私は今だって反対だからね」
母はいったい何を反対してるんだろう。
みさきは小春の言葉の意味が分からなかった。
「でも姉さん、いきおくれるかもね」
ひなたは小春の言葉の意味がすぐに理解できた。
「姉さんがいきおくれないように、
須藤さんとより戻すほうがいいんじゃないの」
みさきはやっと意味が分かった。
両親が見合い相手を探そうと思っても、
今、この病院に入り婿としてやってくる
相手などいないだろう。
優秀であれば優秀であるほど、
敬遠されるに違いない。
フフフっ……。
みさきは笑いを抑えられなかった。
母の計画は無残に朽ち果てたのだ……。