なのに母は笑顔を絶やさない。
まさか……。
まさかね……。
でも母ならありえる。
母は最初からこうなることを
分かっていたのだろうか。
みさきが母親に直談判しに行った時に、
るいのことをみさきに問いただした。
母は破談を覚悟で週刊誌にリークしたの?
だとしたら、母はどういう未来を
思い描いてるのだろう。
るいとよりを戻していいの……。
「私は今だって反対だからね」
母のせりふは釘をさしていたのだろうか。
みさきは少し笑顔が引きつった。
それでもみさきは嬉しかった。
それはるいとよりを戻せるからじゃない。
ただ取り合えず答えを出さずにいられる。
そのことが嬉しかった。