タイトル 「天使の羽」 1001 | 可愛い君に愛を囁きたい


 なのに母は笑顔を絶やさない。


 まさか……。


 まさかね……。


 でも母ならありえる。


 母は最初からこうなることを


 分かっていたのだろうか。


 みさきが母親に直談判しに行った時に、


 るいのことをみさきに問いただした。


 母は破談を覚悟で週刊誌にリークしたの?


 だとしたら、母はどういう未来を


 思い描いてるのだろう。


 るいとよりを戻していいの……。


「私は今だって反対だからね」


 母のせりふは釘をさしていたのだろうか。


 みさきは少し笑顔が引きつった。


 それでもみさきは嬉しかった。


 それはるいとよりを戻せるからじゃない。


 ただ取り合えず答えを出さずにいられる。


 そのことが嬉しかった。