タイトル「森ガールと盛りあガール」 62 | 可愛い君に愛を囁きたい

大樹は私を好きなんじゃない。

私の見た目が好きなんだ。

でも、ルカだって、同じかもしれない。

私のことを本当に好きなんじゃないかもしれない。

ヘビメタ姿の私を知ったら……。

知ったとしても……。

私のことを好きでいてくれるだろうか?

自信がもてない。

それは私が本当の私を見せてないからだ。

正直になれないのは私だ。

でも嘘をついてるわけじゃない。

私らしさを抑えているだけだ。

だからって今さら本当の自分をさらけ出すなんてできない。

失うもののほうがはるかに大きいからだ。

ルカのことが好きだから……。

そう、きっとルカが好きなのだ。

ルカのための森ガールじゃない。

なんで心が揺らぐんだろう。

大樹が気になる……。

ルカを失っていいの?

大樹が私に本気なら、無いと言い切れない。

じゃあ、ルカは保険なの。

ルカに対する気持ちは本気じゃないの。

桃花は自分の愛情の居場所を把握できずにいた。

大樹ならヘビメタの私を受け入れてくれるだろう。

思い切りヘビメタできるのも大樹だ。

でも森ガールやめたら、大樹だって、やっぱり私をポイしちゃうかもしれない。

結局出た結論は、私は卑怯な女だということだ。

やっぱり森ガールじゃない私をルカに知られたいとは思わない。

ルカに会うとなおさらそう感じた。

ルカはいつもと変わらない。

普段通りに桃花に接してくれる。