タイトル 「天使の羽」 689 | 可愛い君に愛を囁きたい


 なのに、鈴音は普通のジャンプさえ


 うまく跳べなくなっていた。



畠山を悩ませる理由はそこにあった。




「実力はすでに超一流の選手並なのに……」

 

 畠山は弱気になっていた。


 この娘もみんなと同じように


 自分自身で才能をつぶしてしまうの。


 

 ハートの弱さは他人には治せない。



 実力がありながら、


 大切な試合で実力を発揮できずに


 散っていったスケーターを


 何人も見てきている。