タイトル「森ガールと盛りあガール」 123 | 可愛い君に愛を囁きたい

 て言うわけで、またまた付き合い始めました。

 そう、愛海に報告すると、良かったねと。

「で、ラブラブなんだ」

「そう、ラブラブなんです、私たち」

「幸せそうで良かった」

 愛海の絵はもう完成してるように見えた。

 それでもなお筆入れをしてる。

 なんでそんなに夢中に絵を描いてるんだろう。

 絵なんか描く暇あったら、彼氏つくったらいいのに。

 そう思いながら、桃花は時計を気にしてた。

 ルカの授業がもうすぐ終わるからだ。

 そして終業のベルが鳴ると、桃花は部室を飛び出した。

 所詮桃花にとっては暇つぶしなんだ。

 そう思いながら、愛海は絵をじっと眺めていた。

 ほぼ完成だね。

 やっと完成したよ。

 そうして愛海はじっと100号のカンバスを見つめていた。

 絵の中に一人の女の子が描かれている。

 100号の大きなキャンバスの中で三十センチほどの小さな少女。

 誰もがそれを愛海の自画像だと思っている。

 桃花もまたその妖精のような女の子を愛海だと思っていた。

 しかしそれは愛海が感じる桃花の姿だった。

 それを聞くと誰もが桃花じゃないと言うに違いないが、愛海にとってその少女は桃花の分身だった。