て言うわけで、またまた付き合い始めました。
そう、愛海に報告すると、良かったねと。
「で、ラブラブなんだ」
「そう、ラブラブなんです、私たち」
「幸せそうで良かった」
愛海の絵はもう完成してるように見えた。
それでもなお筆入れをしてる。
なんでそんなに夢中に絵を描いてるんだろう。
絵なんか描く暇あったら、彼氏つくったらいいのに。
そう思いながら、桃花は時計を気にしてた。
ルカの授業がもうすぐ終わるからだ。
そして終業のベルが鳴ると、桃花は部室を飛び出した。
所詮桃花にとっては暇つぶしなんだ。
そう思いながら、愛海は絵をじっと眺めていた。
ほぼ完成だね。
やっと完成したよ。
そうして愛海はじっと100号のカンバスを見つめていた。
絵の中に一人の女の子が描かれている。
100号の大きなキャンバスの中で三十センチほどの小さな少女。
誰もがそれを愛海の自画像だと思っている。
桃花もまたその妖精のような女の子を愛海だと思っていた。
しかしそれは愛海が感じる桃花の姿だった。
それを聞くと誰もが桃花じゃないと言うに違いないが、愛海にとってその少女は桃花の分身だった。