タイトル「森ガールと盛りあガール」 124 | 可愛い君に愛を囁きたい

「今日も、可愛いね、桃花」

 気になることがないわけじゃないんだけどね。

そう言ってルカが、べた褒めする私の姿って、森ガールなんだよね。

 私って、ルカと会う時は、ヘビメタ姿の桃花じゃなくて、極力森の中の妖精のような森ガールのコスプレしてるわけ。

 そうよ、森ガール姿って、私にとっては、コスプレだ。

 すごく恥ずかしい。

 私が私じゃないみたい。

 分かってる、ルカがヘビメタ姿でもきっと愛してくれてるってこと。

 でもルカと会ってる時だけは、かつらをかぶり、ルカが好きな森ガールの服装でいてあげたい。

 それに森ガールでいていいことがないわけじゃない。

 桃花のバンド活動は軌道に乗り、CD発売も決まっていた。

 インディーズで火がつき、音楽配信では、少し人気が下降線の大樹より売れている。

そのせいでヘビメタの服装をしてると、顔をさされる。

そう、森ガールに変装してたら、誰も気がつかない。

ルカと腕を組んでても、森ガール姿だと、ラブラブでいられる。

 森ガールファッションってそんな使い道があったなんて、素敵じゃない。