タイトル 「天使の羽」 648 | 可愛い君に愛を囁きたい


「今日で沙希ちゃんとお別れだね」


 翔太は沙希の視線に合わせるために、


 膝をついて沙希と話し始めた。


「今度、試合に招待するからね」



「うん、絶対見にいくね」 





「今日で沙希ちゃんの


 笑顔が見られなくね」


 翔太は本気でそう思った。


 沙希の笑顔は自分だけじゃなく、


 周りのみんなを幸せにしている気がする。


「沙希ちゃんには


 ずいぶん救われた気がするから、


 今度は僕がリンクで


 みんなを励ます番だね」


「がんばってね


「応援してくれるかな?」


「沙希は応援するよ」




「私だって……」


 鈴音も言葉をはさんだ。


 鈴音は軽い嫉妬さえ覚えた。


「ありがとう」


 翔太は照れたように笑った。