恋するリバウンド 3 | 可愛い君に愛を囁きたい

第2章 恋せよ乙女


「わたしさ」

乃亜の目がキラキラしてる。

キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!

ついに乃亜に出会いが訪れたのね。

「恋しちゃった」

乃亜が照れながらそう囁いた。

キタ━゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚━ ッ!

私もやっとダイエットできる。


ココロは乃亜と抱き合って喜んだ。

60キロと55キロのハグ。

そう、ココロも激太り。

「現在体重55トン。怪獣図鑑に載りそう」

自虐ギャグを呟いても、乃亜は上の空。

恋に心奪われ、心ここにあらず。

ココロのギャグはスルーされ、一人苦笑い。

それでも気持ちはHAPPY('-^*)/

乃亜は、YUIの「CHE.R.RY」を口ずさむ。

「♪~恋しちゃったんだ、

多分、気づいてないでしょう?」

ついにダイエット解禁よ。

乃亜の過酷で華麗なるダイエットが始まった。

どうせ、すぐに恋するんだから、

失恋してもやけ食いしなきゃいいのに。

いつもそう思う。

そうすればココロだって、

被害をこうむる事はないのだ。


「もう、2日も水だけしか飲んでないわ」

乃亜はフラフラの足取りで、力なくそう言った。

「大丈夫?」

まあ、この言葉も社交辞令だ。

これで乃亜はいつも平気なのだ。

気持ちが高揚してるから、

ぜんぜん大丈夫なのだ。

いつだってフラフラになりながら、

蝶のようにうまれかわる。

ダイエット中の乃亜の愛読書は、

決まって『あしたのジョー』だ。

「ボクサーみたいじゃない。ダイエットする姿って」

登場人物の力石徹になりきるらしい。

でもココロは「あしたのジョー」に詳しくない。

「漫画の中じゃ、力石徹ってボクサーが、

水も飲まずガリガリになるんだけど……」

ココロのあしたのジョーの知識はすべて乃亜だ。

まあ、乃亜には力石徹は、渡辺徹らしい。

実はココロには渡辺徹もいまいちピーンと来ない。

「まいうーとか言ってる人?」

「違う、違う、榊原郁恵の旦那よ」

「???」

「イメージは、あのデブタレの渡辺徹が、

華麗なるダイエットをするのよ」

乃亜に漫画のあしたのジョーを借りたことがあるが、

まだ全部読んでない。

だから力石徹も渡辺徹も今一つピーンと来ない。