タイトル「森ガールと盛りあガール」 48 | 可愛い君に愛を囁きたい

 いきなり晴香が桃花の胸に手をあてた。

 えっ?胸触られた。

「ちょっと小さいかもね」

 そう言えば女子同士で胸を触りあってたりしてたっけ。

 みんな、恐ろしがって、私の胸は触らなかったけど。

 そうだ、女子に胸を触られるなんて、初体験だ。

 良かった、跳ね除けなくて。

 そうだ、まだこのキャンパス内では私の過去は誰にもばれてない。

 なるべく怖がられないようにしないと。

「彼氏、ちょっとガッカリしたんじゃない?」

 冬美の言葉に桃花は少しショックだった。

「やっぱ、ショックなのかな」

「じゃないの?基本、大きいほうが好きなんじゃないの」

 そう言う冬美は確かに大きかった。

 しかし他の三人は見た感じ、そうでもない。

「どうなの、貧乳三人組は?」

「貧乳って、それって、私たちのこと?」

 晴香がすぐに反応した。

「私は問題ないと思うよ、桃花より大きいから」

 結局、小さいものは仕方ないのだと言う結論になった。

 しかし桃花は心のどこかで気になることが増えた気がした。

 小さいかあ……。

 そんなこと一度も気にしたことなかったな。

 でも、やっぱり一番の問題はタトゥーだよ。

 こればっかりは消すのが難しい。

 シールくらいにしとけば良かったな。

 長袖着るにしたって、夏場は限度があるよな。

 紫外線対策って言い訳、ちょっと苦しいし。

 やっぱ、肩を出したいじゃない。

腕の出る服を着る時は、シュシュなんかで隠すしかないよね。

夏か……。やっぱり海に誘われたりするよね。

どうしよう、隠すのも限度があるよ。

「水着はNG」って言うしかないかな。

桃花は少しだけ罪悪感を感じていた。

何だか、騙しているような後ろめたさを感じずにいられなかった。

それでもルカに会うと、幸せすぎて、この幸せを逃したくないと思った。

そして身も心もルカ好みに染まっていく自分が喜びに変わっていった。