その日の授業はやはり爆睡した。
目を覚ますと、よだれが袖にビッタシついていた。
ルカと同じ学年じゃなくて良かった。
とてもこんな姿見せられない。
「最近、いつも寝てるね」
クラスメイトの晴香はそう言って笑う。
「彼といろいろあるんでしょ」
千夏の冷やかしが的を得ていて、変に顔がニヤけてしまう。
その顔を見て、明菜と冬美が目をへの字にしてニヤついてる。
「やっぱ、そうだよね」
「だから言ったじゃない、もうエッチしてるって」
女子に囲まれ、ガールズトークの話題になっている。
野郎ばかりに囲まれて、エッチしたいって、いつも下ネタばかりしてたバンドメンバーと大違いだ。
ちょっとしたグータンヌーボじゃない。
私の知らない世界に足を踏み入れた気分だった。
「いつも寝てるから、怪しいって思ったんだ」
晴香の言葉に他の三人も頷いた。
そうよ、いけない。
若いんだから、いいじゃない。
そうよ、やっとデビューしたんだよ。
ヘビメタなんか選ばずに、ヤンキーしてれば、中学生で卒業してたかもしれないのに。
私は今幸せなんだから、そんな冷やかし方されたらニヤけるでしょ、誰だって。