タイトル「森ガールと盛りあガール」 41 | 可愛い君に愛を囁きたい

そんな中、サークルでカラオケに行った。

桃花は特別な時に歌う曲として、アイコの歌を練習していた。

愛海とよく近所にある歌広場に行っては、歌いこんでいた。

愛海の歌う歌は森ガールのバイブルに違いない。

そう思いながら、愛海の一番歌ってる姿が可愛く見えたアイコの歌を念入りに練習した。

歌い始めると、みんなが黙り込んだ。

桃花のあまりの歌のうまさにみんな聞き耳を立てずにいられなかった。

少し下手に歌ったほうが良かったかな。

桃花は思った。

ルカは私が歌がうまいことは知らない。

ましてギターの腕も比較にならないほどだ。

隠したほうが良かったかもしれない。

そう思ってルカをチラチラ見ていた。

ルカは目を閉じて、曲を聴いている。

そして桃花が歌い終えると、興奮したように立ちあがった。

「歌うまいね。そんなにうまいって思わなかったよ」

 みんなが拍手で迎えてくれる。

「ねえ、ねえ、もっと歌ってよ」と田代先輩が笑った。

 良かった、ルカは全然気にしてない。

 それから勝手に曲を入れられて、歌はされる羽目になった。

 それほど日本の歌が詳しくないことがばれるじゃない。

 そう思いながら知らない曲の時は、他の人を連れて歌った。

 そのせいか、かなり音がずれてる気がした。

 それでもカラオケは盛り上った。

 当然のごとく、カラオケが終わると、みんなは気を使い、いなくなった。