あの晩餐で酔いつぶれる寸前に、こう言った。
「医者は患者を選べない。
患者が何者なんか、考えていては
いい仕事はできないわ」
あなたがいい医者になりたかったら、
いつだって全力で立ち向かいなさい。
助けるのはあなたじゃないの。
神様がその人を必要と思っていたら、
きっと患者は助かるのよ。
手術中、思ったの。
神様はあの患者はまだこの世に生きて、
しなければいけないことがあるんだってね。
本人は生涯気付かないかもしれないけど、
それはきっと人を殺した重みを
考えることじゃないかって思うの。
そうじゃないと、
私が助けた意味がないじゃない。