タイトル 「天使の羽」 852 | 可愛い君に愛を囁きたい


「今年は歩けるようになりますようにとか……」


 ひなたが言うと、沙希は笑顔を浮かべた。


「だって、祈らなくても


 歩けるようになるよ」


 そうだ、その通りだ。


 まだまだ、立ち上がるのがやっとだが、


 歩けるようになる日もそう遠くない。


「じゃあ、何、祈ったの?」


「あのね、


 鈴ねえが4回転ジャンプを跳んで、


 優勝しますようにって


 祈ったの」