「一発屋に願いを込めて」 最後 | 可愛い君に愛を囁きたい

消えそうなタレントが


テレビに出なくなりかけた頃、


僕はいつも願い事をする。


不思議なもので


それ以来僕の人生は実に順調だ。


そして僕は成功者に上り詰めた。


だからもう僕のサクセスの秘密を


話してもいいだろう。


そう、僕はいわゆる一発屋が


消えそうな瞬間に、


いつも願い事を三回唱えてきた。


スターとはそれなりの運を


もっているのだ。


だから面白くないタレントでも


運だけで売れたりする。


そんな彼らの最後の運を、


僕が奪い取るのだ。


願い事を唱えることで


彼らの最後の運を


奪っているにちがいない。





そして僕は人生につまずいた。


みんなが僕に願い事を唱えたようだ。


僕の成功は本の出版とともに


あっという間に


全ての財産も消えていった。


それはまるで流れ星のように、


一瞬の出来事だった。