タイトル「森ガールと盛りあガール」 167 | 可愛い君に愛を囁きたい

 数日後、桃花宛に手紙が届いた。

 山ちゃんが代筆したのだろう。

「私は生まれながらに、死を予感しながら生きてきたの。母親が白血病で死んだから、私にもその因子があるかもしれないて思ってた。

 白血病は遺伝しないのよ、母はいつも言ってた。

 だから私が白血病になったって知ったら、きっと母は悲しんだでしょうね。

 だから舞には母と同じことを告げることにしてる。

 DVDにメッセージを残したの、白血病は遺伝しないのよと。

だからこの日が来ることは覚悟してたの。

でもだからこそ誰かのために生きて、その人のために生かされている実感がほしかったの。

犯罪被害者たちにも何度もあったわ。

彼らに会うと性善説を信じる気になれなくなるわ。

犯罪被害者たちの憎しみに晒され同調していく方が限りなく正義に感じてしまうの。

でも人を憎しみながら生きていくのってとっても辛いの。

だから私は少しでも希望が見える保護観察官の選んだのよ。

そして山ちゃんを更正させさせられたことで、私は自分のしてきたことが正しかったって思えたの。

 あなたには最後に分かってほしかったの。

 私のことを知ろうとしてくれた人だから。

 あなたが音楽の世界で活躍してることは知ってる。

 あなたは送り手だから、いろんな人に影響を与えていく立場の人だから、私の考えを正しく理解してほしかったの。

 もっともっとあなたと喋りたかったけど、残念ね。