タイトル「森ガールと盛りあガール」 111 | 可愛い君に愛を囁きたい

 その日愛海を送りもせずに、ルカのマンションの前で待ち構えた。

なのに結局ルカはマンションに戻ってこなかった。

 お泊りしたんだ。

 もうそんな関係になってるんだ。

 呆れた。

 そんなに手が早いとは思わなかった。

 真面目だけが取り柄だと思ったのに。

 目の下にクマができていた。

 授業中も寝てばかりいた。

 ルカのやろう。

 こうしてる間にも目に見えない相手といちゃついてると思うと、むかついて仕方ない。

 授業中、愛海がメールを送ってきた。

 メール情報によると、いつも決まったファミレスに出没するらしい。

愛海から仕入れた情報を元に、最近よく出没するらしい夕方のファミレスでルカを待ち構えた。

桃花は目立たないようにジャージ姿で身を潜めた。

すると、愛海がファミレスに現れた。

 桃花を見つけると、近づいてきた。

「やっぱ、いた」

「いるに決まってるでしょ」

「ストーカーだね」

「止めにきたわけ?」

「まさか……」

 そう言って、愛海は桃花の前の席に座った。

「見てみたいじゃない、どんな子か」

 ふん、野次馬か。

「絵は描かないの、今日は」

「どんな相手か見たら、学校に戻るから」

「そう」