その日愛海を送りもせずに、ルカのマンションの前で待ち構えた。
なのに結局ルカはマンションに戻ってこなかった。
お泊りしたんだ。
もうそんな関係になってるんだ。
呆れた。
そんなに手が早いとは思わなかった。
真面目だけが取り柄だと思ったのに。
目の下にクマができていた。
授業中も寝てばかりいた。
ルカのやろう。
こうしてる間にも目に見えない相手といちゃついてると思うと、むかついて仕方ない。
授業中、愛海がメールを送ってきた。
メール情報によると、いつも決まったファミレスに出没するらしい。
愛海から仕入れた情報を元に、最近よく出没するらしい夕方のファミレスでルカを待ち構えた。
桃花は目立たないようにジャージ姿で身を潜めた。
すると、愛海がファミレスに現れた。
桃花を見つけると、近づいてきた。
「やっぱ、いた」
「いるに決まってるでしょ」
「ストーカーだね」
「止めにきたわけ?」
「まさか……」
そう言って、愛海は桃花の前の席に座った。
「見てみたいじゃない、どんな子か」
ふん、野次馬か。
「絵は描かないの、今日は」
「どんな相手か見たら、学校に戻るから」
「そう」