タイトル 「天使の羽」 1029「あのさ、私、もう少し練習するから」 鈴音は翔太の肩をポンと叩いた。「えっ?そうなの」翔太はアタフタしてる。「よろしくね」鈴音が急にリンクの中央の方に滑り出した。ひなたと翔太は取り残されて、ぎこちなく押し黙ってしまった。 長い間、沈黙が続いた。 時間にするとたいしたことはないのだろう。 それでもその瞬間、 長いこと時間が止まっているかのようだった。