タイトル 「天使の羽」 901 みさきが落ち込んだ気持ちで、病院に戻ると、 みんなが拓海のことを話題にしてた。 拓海がおとなしく引き下がるとは、 誰も思ってなかったからだ。 みんなが拓海のことで、肩を撫で下ろし、 喜んでいたのだ。 相変わらず病院では拓海が悪者のまま、 誤解されたままだった。 拓海の悪口を聞くたび、みさきは心が痛んだ。 拓海の無実は証明された。 なのに、みさきは拓海のことを切り出しかねていた。 小春の口でみんなに説明してほしかった。 しかし小春は、拓海のことを一言も口にしなかった。