タイトル「森ガールと盛りあガール」 39 | 可愛い君に愛を囁きたい

夕暮れ時になると、レンガ倉庫辺りがライトアップできれいに照らされてきた。

そして、導かれるように観覧車に乗った。

ベイブリッジが見え、横浜の夜景が見渡せる。

急にルカがソワソワし始めた。

桃花もなんとなく雰囲気を察した。

観覧車が頂上にたどり着くと、肩を抱き寄せられて、初めてキスをされた。

「キスしちゃった」

ルカは笑顔でそう言った。

「桃花が可愛すぎるから、思わずキスしちゃったよ」

桃花はいつの間に観覧車から降りたのか記憶が飛んでいた。

気がつくと、桜木町駅のホームで電車を待っていた。

頭の中でキスシーンが何度も何度も浮かんでいた。

あれっきりじっと黙ったままだ。

幸せすぎて、言葉をなくしてしまった。

ずっとずっとニヤついていたに違いない。

すべてがプラン通りなのかもしれない。

かなり独りよがりで桃花の趣味を無視したプランだったが。

手馴れた感じ。

モトカノと同じコースを歩いたのかも。

それでも今日のデートに桃花は満足していた。

二人を繋ぐものが繋いだ手だけだとしても、気持ちはずっと繋がっている気がした。

その日いっぱい幸せすぎて、眠れない。

幸せの余韻はルカと別れてからもずっと続いている。

眠れない。

でも眠りたくない。

目が覚めてもそれが夢でないようにと、桃花は携帯を抱きしめて寝た。

携帯にはルカからのメールがいっぱい詰まっていた。

友達じゃない、恋人だと感じさせる愛情に溢れた文字が並んでいた。

だから明日の朝になっても夢から覚めないように、携帯メールに鍵をかけた。

これで目覚めてもきっと幸せの続きが見られるって思うから。

ねえ、そうでしょ。

私の初めての恋だから。

ずっとずっと抱きしめていたい。

目覚めるとすぐに携帯を開いた。

おはようメールが届いてる。

昨日鍵をかけたメールを読み返すと、昨日の続きの幸せが蘇った。