油断。エボダイ ウド。 | 酒菜・和食 下北沢「金兵」(キンペイ)

油断。エボダイ ウド。

春一番が吹いたそうですね。気温も日中は20℃くらいまで上がり、いかにも春が来たという陽気でしたが、明日は一転してまた冷えるそうですからなかなか油断ができません。

まずは共謀罪の話です。
政府は着々と法制化の準備を進めているようです。
「テロ等準備罪」という名目で、当初600以上もの犯罪について共謀罪を認めようと計画しておりました。
共謀罪というのは、例えば「実際に殺人をした(殺人罪)」とか「殺人の具体的な準備をしていた(殺人予備罪)」などのような証拠が無くても「お前たちは人を殺そうと企んでいただろう」というだけで処罰する、こういうものです。
どういう基準でどんな行為を根拠に「殺人を企んでいた」と判断するのか不明ですので、例えばちょっと「そろそろA総理には消えてもらった方がいいんじゃないの?」なんて言っただけでアウト、ということになりかねないわけです。
こういったよく分からない理由で殺人以外にも600以上の○○罪について「お前たちは○○を企んでいただろう」という具合に国民が逮捕されてしまうという、実に恐ろしい世の中にしてしまおう、という話になっているのです。

ですが、さすがの安倍政権もそんなに沢山では無理があると踏んだのか○○罪に該当するものを277件にまで絞り込むことにした、とのこと。
「テロ等準備罪」という名目ですので、ちょっとテロと結び付けるのは無理筋だなというものは外しておいた方がいいだろう、ということになったようで、逆にいえば今までは「テロ等準備罪」という名前でテロに関係ないことをおよそ350件も盛り込もうとしていたわけですから、言ってみれば詐欺のようなものであります。
まあ、それはともかく、当初の半分以下にまで絞り込もうと、そういう話になってきたようです。
とはいえ、どういった事実を根拠にどういう基準で「○○を企んでいる」と判断するのかは依然として不明でして、ということはその277件を幾らでもどうとでも拡大解釈できてしまうわけですから、実際のところ数が減ろうがあまり意味の無い話だとワタクシは思います。

さて、この「テロ等準備罪」ですが、「一般の人は対象にならない」と言われております。これはどういうことかというと、要するに「テロリストと見なされていない人には適用しませんよ」ということでして、テロリストと認定されていなければ「A総理は云々」と言ったとしても大丈夫、ということです。

しかしです。では一般人とテロリストとは誰がどう区別するのでしょうか。
例えば警視庁に極左暴力集団と指定されているとか、何らかの条件があらかじめ決まっているのとでしょうか?
なんと、安倍政権の方針としては、これが実に恐ろしいことに「正当に活動する団体が犯罪を行う団体に一変したと認められる場合は、処罰の対象になる」ということになっているようです。
これ、「正当に活動する団体」というのは「犯罪を行う団体」と対比されていますので、要するに「犯罪組織でない団体」ということです。で、「犯罪を行う団体に一変したと認められる場合」というのは「犯罪組織になったと判断できる場合」ということです。
つまり「『これまで犯罪組織と判断されていなかった』団体も、『後から犯罪組織と判断できた場合は』共謀罪で処罰する」と書いてあるわけです。
「これまではどうであっても関係ない。犯罪組織だと『後から』認定して共謀罪で処罰できる」と書いてあるのです。
捕まえてから判断を変えることができてしまうわけです。
ということは、テロリストと認定されていない一般の人がA総理の悪口を言ったとしても、捕まえた後からその人のいる団体をテロ組織に認定してしまえばいい、ということも、もしかしたらあり得るわけです。
一般人かテロ組織のメンバーか、この判断を後から変えることができてしまうとなると、これは大変な話なのです。
一見するとデタラメに何でもかんでもテロ組織と認定することは難しいかもしれないけれど、しかし実際、誰が何を基準にどうやってテロ組織という認定をするのか、これがよく分かっていないのです。
ということは、率直に言ってデタラメに何でもかんでもテロ組織と認定することができてしまうかもしれない、ということです。
あまりに不透明です。

しかもこれ、なぜ「犯罪を行う団体」という書き方をしているんでしょうね。一応、テロ等準備罪というテロ関係の法律なんですが、テロに関係ない犯罪組織だったらどうなるんでしょうか。「テロ関連の組織とされていない団体がテロ関連組織になったと認められる場合」という書き方じゃないところにも、もしかしたら何か思惑があるのかもしれません。
どうも胡散臭さがプンプンで、こちらも油断ができないのであります。


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佐島のエボダイ。可愛いですね。
白身の魚で、しっとりとした上品な身質です。
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塩焼き。
小型の魚ですのでそのまま焼きます。
三枚におろして揚げ物にしてもいいですね。
骨の付いた魚が苦手な方にはその方がオススメかも。

こちらは
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ぶつ切りにしたウドを直火で焦がすように焼いたものです。

火からおろして皮をむき、適当に切ります。
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ウドのような野菜も焼いてみると結構甘味が感じられるものでして、持ち味のホロ苦さと相まって冷酒にもウイスキーにもよく合います。
フキノトウを刻み込んだ味噌を添えておりますが、こちらはウドにつけて召し上がっていただいても、そのままでも肴になることうけあいです。


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