(2024.3.21)

 

 

 新型コロナワクチン接種後の症例経過(副反応疑い報告)などついての内容(抜粋要約、時系列)はつぎのとおりです。

 

 

○副反応検討部会(令和4年4月13日)接種後の死亡事例が1667人に増加。

⇒審議の概要(厚労省HP)

(全体のまとめとして)これまでの報告によって(省略)引き続き安全性において重大な懸念は認められないと評価されました。

(死亡例の報告について)現時点において、ワクチンとの因果関係があると結論づけられた事例はなく、3回目接種後の事例を含め、引き続き集団としてのデータを系統的に検討していくこととされました。

 

○(令和4年4月13日)接種

▽9歳の男性

 病歴等:なし

 4月13日 男性患者はワクチン2回目接種を受けた。

 4月14日(ワクチン接種1日後)接種部位疼痛、頭痛、発熱を発現した。

 4月19日(ワクチン接種6日後)患者は病院Aを受診し、大脳動脈起始部の狭小化を認めた。

 薬剤で対応したが、改善しなかった。

 4月25日(ワクチン接種12日後)患者は精査目的で病院Bに入院した。

 続発性の中枢神経系血管炎に、無菌性髄膜炎を合併していると考えられた。

 治療で一時的に解熱傾向となった際には調子は良いが、終了後は、再び高熱が持続し、頭痛、精神症状も持続していた。

 患者は10日間入院したが、改善は見られなかった

 5月04日(ワクチン接種21日後)未回復であった

 報告医師は、事象を重篤(障害につながるおそれ)と分類し、事象とワクチンとの因果関係を関連ありと評価した。

 報告者意見:ワクチン接種後に偶然に発症したというよりも、続発性の可能性が考えられた。

 

○(令和4年4月13日)接種

▽18歳の男性

 病歴等:てんかん(継続中か不明)通院中

 4月13日 男性患者はワクチン1回目接種を受けた。

 4月14日(ワクチン接種1日後)下肢脱力を発現した。

 歩行不能を発現した。

 事象の転帰は未回復であった

 神経内科は、下肢脱力がワクチンに関連がある可能性ありと判断した。他要因の可能性は「ワクチンに関連がある可能性あり、ただしギランバレー症候群も否定できない」であった。

 報告医師は、事象を重篤(障害につながるおそれ)とし、事象とワクチンとの因果関係を評価不能とした。

 

○(令和4年4月14日)接種

▽6歳の女性

 病歴等:報告なし

 4月14日 女性患者はワクチン接種を受けた。

 接種後、関節痛を発現した。

 整形外科に行き、対症療法を続けていた。

 5月31日(ワクチン接種47日後)歩行不能になった。

 これ以上の再調査は不可能である。

 

○(令和4年4月15日)接種

▽12歳の女性

 病歴等:なし

 4月15日 女性患者はワクチン1回目接種を受けた。

 4月16日(ワクチン接種1日後)37.5度の発熱があった。以降も発熱が持続した。

 4月18日(ワクチン接種3日後)高熱が発現した。

 4月21日(ワクチン接種6日後)救急車で病院に来院し、入院した。

 4月22日(ワクチン接種7日後)川崎病不完全型と診断された。

 4月27日(ワクチン接種12日後)炎症反応陰性化を確認した。

 報告医師は、本事象を重篤と分類し、事象とワクチンとの因果関係を評価不能とした。他要因の可能性は、亜急性壊死性リンパ節炎の疑い、エルシニア感染症の疑いであった。

 

○(令和4年4月16日)接種

▽11歳の女性

 病歴等:報告なし

 4月16日 女性患者はワクチン2回目接種を受けた。

 9月01日(ワクチン接種138日後)患者は、全頭脱毛症を発現した。

 全頭にわたり脱毛が進行した。

 ステロイド内服開始するも、難治であった

 3月01日(ワクチン接種319日後)全頭脱毛症の転帰は、未回復であった

 報告医師は、本事象を重篤と分類し、本事象がワクチンに関連があると評価した。他要因の可能性は無かった。

 報告医師コメント:因果関係は強いと考える。難治性で長期間にわたりステロイドあるいはJAK阻害剤の内服が必要と考える。

<専門家の意見(令和5年3月12日時点)>

 ワクチン2回目接種の約4か月半後に重篤な脱毛をきたした報告である。11歳児が全頭におよぶ脱毛を発症する頻度は高くないが、現状で、接種後一定期間を経過して脱毛の副反応をきたすリスクがあるという既報告や、その特徴的な症状経過の知見は見当たらない。したがって、現状の情報ではワクチン接種と脱毛の因果関係を評価することは困難である。

 

○(令和4年4月20日)接種

▽16歳の女性

 病歴等:報告なし

 4月20日 女性患者はワクチン3回目接種を受けた。

 4月25日(ワクチン接種5日後)から、患者は動悸、気分不良、両上肢の脱力感を発現した。

 4月27日(ワクチン接種7日後)頃から、両下肢の脱力感を自覚した。

 4月28日(ワクチン接種8日後)から、左上肢のしびれ感も自覚した。

 感覚鈍麻が発現した。

 5月07日(ワクチン接種17日後)から、左手指の不規則な振戦が出現した。

 7月26日(ワクチン接種97日後)精査のため入院(8/5まで)となった。

 各種検査で異常所見を認めなかった。

 8月05日(ワクチン接種106日後)事象の転帰は未回復であった

 報告医師は、事象を重篤と分類し、ワクチンとの因果関係を評価不能とした。他要因の可能性の有無は不明であった。

 

○(令和4年4月21日)接種

▽18歳の男性

 病歴等:熱性痙攣(継続中か不明)

 4月21日 男性患者はワクチン3回目接種を受けた。

(ワクチン接種直後)頭痛が軽度、微熱があった。

(5月初旬)筆記具をよく落とすようになったが、あまり気に止めていなかった。

 7月04日(ワクチン接種74日後)シャワー中に脱力、意識障害、頭痛、吐気あり。

 7月05日(ワクチン接種75日後)起床し、頭痛、吐気があったが、朝食を摂取して、横になった。

 大きなイビキが聞こえた為、母が様子を見に行くと、意識障害にて救急要請

 高度治療室に入院となる。

 各種検査の結果、自己免疫性脳炎疑いにて入院加療。

 入院中に痙攣発作

 8月16日(ワクチン接種116日後)検査結果は病巣がほぼ消失し、脳腫瘍の疑いも解除された

 9月12日(ワクチン接種143日後)一時的な視覚異常、視野障害、頭痛が夕方になると繰り返し発現しった。

 9月18日(ワクチン接種149日後)痙攣発作、意識障害にて救急搬送された。

 検査の結果、7月とは別の部位から脳炎の発症を認め、加療目的で入院となる。

 9月24日(ワクチン接種155日後)症状改善し退院となった。

 現在、薬剤内服中。外来フォロー中である。

 10月03日(ワクチン接種164日後)事象の転帰は未回復であった

 報告看護師は事象を重篤(生命を脅かす、障害につながるおそれ)と評価し、事象はワクチンと関連ありと評価した。他要因の可能性はなかった。

 報告者意見:基礎疾患はなく、健康体であり、ワクチン起因としか考えられない。

 

○(令和4年4月22日)接種

▽5歳の女性

 病歴等:報告なし

 4月22日 女性患者はワクチン2回目接種を受けた。

 4月23日(ワクチン接種1日後)正午、嘔吐、食欲低下を認めた。

 夜食を摂取したが、嘔吐した。

 4月24日(ワクチン接種2日後)嘔吐4回を認めた。休日診療所を受診した。

 4月25日(ワクチン接種3日後)朝、お茶漬けを摂取した。夜、アイス少量を摂取した。

 4月26日(ワクチン接種4日後)患者はケトン性低血糖を発現した。

 患者はぐったりしており、来院した。

 患者は立位、独歩不可であった。

 患者は待合室の椅子で横になった。

 病院のスタッフが、処置室のベッドまで腕を抱えて連れて行った。

 血糖値は少し低めと報告され、点滴を2時間施行した。

 その後患者は自力で排泄でき、帰宅した。

 報告者は、事象を非重篤と分類した。

 ワクチンとの因果関係は関連ありであった。

 食欲減退の転帰は未回復であった

 

○(令和4年4月22日)接種

▽12歳の女性

 病歴等:COVID-19に罹患(発熱は1日(2/27)のみで軽症)

 4月22日 女性患者はワクチン1回目接種を受けた。

 4月24日(ワクチン接種2日後)頸部・顎下部のリンパ節膨張、発熱、倦怠感が出現した。

 その後1ヵ月に渡って、断続的に発熱が持続した。

 6月17日(ワクチン接種56日後)頸部リンパ節膨張、倦怠感が持続するため、近医より紹介され受診した。

 検査で、白血球減少、肝機能障害も伴っていた。

 亜急性壊死性リンパ節炎と診断した。

 内服で加療し、自覚症状の消失まで4ヵ月程度を要した。

 肝機能障害については、継続したフォロー中である。

 事象の転帰は、回復したが後遺症ありであった(肝機能障害は改善傾向だが残存しており、今後もフォロー予定であった。発症当初より不登校となり、自覚症状は改善したものの再登校出来ずに経過している)。

 報告者は事象を非重篤と分類し、事象とワクチンとの因果関係を評価不能とした。他要因の可能性はなかった。

 報告者コメント:亜急性壊死性リンパ節炎は、ウイルス感染やワクチン接種を契機とした発症の報告がある。本児もワクチン接種後2日後の発症から、事象がワクチン接種を契機とした亜急性壊死性リンパ節炎の可能性が高いと考えられる。

 

○(令和4年4月23日)接種

▽11歳の女性

 病歴等:報告なし

 4月23日 女性患者はワクチン2回目接種を受けた。

 4月25日(ワクチン接種2日後)痙攣発作、嘔吐、顔面蒼白、意識混濁が発現した。

 患者は他院に救急搬送された。

 血液検査は異常なしであった。

 患者は点滴を受けて帰宅した。

 しかし、まだ立ちくらみがあったため、他院脳神経外科を紹介され、今から受診予定である。

 事象は、ワクチンの使用後に発現したと報告された。

 

○(令和4年4月23日)接種

▽8歳の男性

 病歴等:熱性けいれん、先天性胆道閉鎖症、胆管炎(継続中か不明)

 4月23日 男性患者はワクチン2回目接種を受けた。

(ワクチン接種日)接種部位の痛みがあった。

 4月25日(ワクチン接種2日後)夕食後より腹痛が出現した。発熱も認めた。

 4月26日(ワクチン接種3日後)深夜0時過ぎ、報告者の病院の救急治療室を受診した。

 患者の体温は39.1度で、臍(へそ)周囲から左下腹部の痛みがあった。

 患者は薬を処方され帰宅した。

 患者は朝9時に報告者の診療科を受診した。

 検査実施中に痙攣を認めた。

 薬により頓挫したが、患者の意識が回復しないため、他の病院に搬送された。

 患者は病院に入院した。

 5月09日(ワクチン接種16日後)事象の転帰は不明であった。

 患者は別の病院へ転院したが、すでに退院したとのコメントを入手した。

 熱性痙攣、胆管炎、意識消失、肝炎などの結果として、治療的な処置がとられた。

 報告者は、事象を重篤と分類し、事象とワクチンとの因果関係は評価不能とした。事象を引き起こすと考えられる他の要因は、胆管炎疑いと熱性けいれんであった。

 

○(令和4年4月25日)接種

▽10歳の女性

 病歴等:予診票での留意点なし

 4月25日 女性患者はワクチン1回目接種を受けた。

 4月27日(ワクチン接種2日後)発熱し、解熱なしであった。

 白血球減少、好中球数減少を認めた。

 5月09日(ワクチン接種14日後)白血球減少、肝逸脱酵素上昇を認めた。

 5月12日(ワクチン接種17日後)当院に紹介入院となった。

 その後も発熱が持続し、5/15解熱した。

 5月19日(ワクチン接種24日後)白血球減少、好中球数減少、肝逸脱酵素の上昇は依然改善ないが、全身状態が安定しているため、患者は退院し、外来患者として定期フォローとなった。

 5月(不明日)患者は肝機能障害を発現した。

 発熱以外の事象の転帰は、未回復であった

 報告者は、事象を重篤と分類し、ワクチンとの因果関係を評価不能と判断した。他要因の可能性は不明であった。

 報告者コメント:現時点では、ワクチンによる副反応を疑うが、詳細は不明である。

 

○(令和4年4月25日)接種

▽10歳の男性

 病歴等:アトピー性皮膚炎(継続中かは不明)

 4月04日 男性患者はワクチン1回目接種を受けた。

 4月06日(1回目接種2日後)から頭痛、嘔気が出現した。

 4月14日(1回目接種10日後)当院を受診し、鎮痛薬と制吐薬が処方された。

 以降、症状により登校できず、何日も臥床で過ごした。

 4月25日 頭痛があったが、接種可能とのことで、男性患者はワクチン2回目接種を受けた。

(2回目接種の直後)嘔吐した。

 4月27日(2回目接種2日後)血液検査で異常は認めず、頭部CT撮影した。

 4月28日(2回目接種3日後)脳神経外科を受診し、松果体部石灰化以外に所見はなかった(石灰化は2017年頭部CT撮影時もあった)。

 4月30日(2回目接種5日後)MRI施行したが、異常は認めなかった。

 5月24日(2回目接種29日後)トリプタノール開始したが効果はなかった。

 頭痛、脱力感で、移動に介助が必要となった。

 6月07日(2回目接種43日後)精査のため他院紹介となった。

 事象の転帰は未回復であった

 報告医師は、事象を重篤に分類し、事象とワクチンとの因果関係を評価不能とした。

 

○第208回国会 参議院 厚生労働委員会(令和4年4月26日)

▽国務大臣

 長期的な副作用の発現状況や極めてまれに発生する副作用等については、承認までの間に確認することは困難

 

○(令和4年4月26日)接種

▽7歳の男性

 病歴等:0才時での熱性けいれん(継続中か否かは明らかでない)、言語発達遅滞(継続中)

 4月26日 男性患者はワクチン2回目接種を受けた。

 4月27日(ワクチン接種1日後)夜より、発熱を発症した。

(22:00頃)全身性間代性けいれんが10~15分間観察された。

 救急車で救急施設へ搬送された。

 施設受診時は意識清明のため、帰宅した。

 4月28日(ワクチン接種2日後)病院へ紹介受診となった。

 報告医師は事象を非重篤とし、事象とワクチンとの因果関係は関連ありと評価した。他要因の可能性があった:熱性けいれん、てんかん。

 報告医師コメント:患者は元々言語発達遅滞があり、てんかんの可能性は否定しきれず。

 

○予防接種・ワクチン分科会(令和4年4月27日)資料

▽4回目接種について

(60歳未満の)基礎疾患を有する者等への4回目接種の効果、有効性に関する科学的知見は、現時点で十分でない

▽18歳以上の者を対象とした研究について

 新型コロナワクチンのオミクロン株に対する発症予防効果は、ファイザー社又はモデルナ社ワクチンを2回接種した2~4週間後は65~70%であったが、25週後までには約15%程度まで低下した。

 追加(3回目)接種の2~4週後は65~75%と回復するものの、20週後以降はほぼ効果が見られなかった

 

○(令和4年4月28日)接種(令和4年4月30日)死亡

▽11歳の女性

 病歴等:低酸素性虚血性脳症、脳性麻痺(継続中)など

 超重症児で2014より重症心身障害病棟に長期入院していた。

 自発呼吸なく、人工呼吸管理、経管栄養、意思疎通なし、肢体不自由であった。

 表情は変化ないが、痛み刺激にわずかに顔をゆがめる程度はあった。

 4月28日 女性患者はワクチン2回目接種を受けた。

 4月29日(ワクチン接種1日後)頻脈、冷や汗、倦怠感(だるい顔)が出現した。

 4月30日(ワクチン接種2日後)呼吸不全となり、徐々に脈減少、血圧低下、心肺停止した。

 死亡確認をした。

 休日対応であり、可能な検査項目も少なかった。心エコーもできる体制でなかった。

 状況より、急性心筋炎による心不全が考えられた。

 報告医師は、事象を重篤(死亡)と分類し、事象とワクチンとの因果関係は評価不能とした。他要因の可能性はなかった。

 報告医師コメント:因果関係は不明であった。今回、急性心筋炎様の急性心不全で死亡した。特に他に要因はなく、ワクチン接種後翌日より症状出現していたため副反応疑いとした。報告事象の「心筋炎」は「疑い」であり確定診断ではなく、もし心筋炎である場合は急性タイプであろう。

 死因に対する医師の考察:最後は急性心不全、呼吸不全で死亡したと思われる。急性心筋炎を疑わせるが、状況や検査からは決定的な要素に乏しく確定できない。よって「心筋炎の疑い」となる。亡くなる4日前、血液検査で特記すべき異常はなかった。

 因果関係に対する医師の考察:因果関係は不明であるが、ワクチン接種の24時間以内の症状発現を考慮すれば、関連性はあると思われる。心筋炎の危険因子また他の関連する病歴について、患者には心不全、駆出率低値歴、自己免疫疾患の基礎疾患、心血管疾患歴、および肥満は、いずれもなかった。

<専門家評価コメント(令和6年1月26日時点)>

 採血の結果からは、心筋障害も否定できないが、心電図や心エコー、病理による直接的な証拠はない。炎症反応も心筋由来かも不明である。時系列的にワクチンとの関連は否定できないが、長期にわたる脳性麻痺で人工呼吸器管理の状態であり、もともとの心機能がどうであったかも不明である。ワクチン以外にも、心肺停止となる要因が多く、原因をワクチンと断定することはできない。

 

○(令和4年5月1日)接種(令和4年5月11日)死亡

▽19歳の男性

 病歴等:

(ワクチン接種歴、1回目モデルナ、2回目モデルナ)

 5月01日 男性患者はワクチン3回目(ファイザー)接種を受けた。

 その後、微熱、咳、鼻閉感が出現した。

 5月02日(ワクチン接種1日後)患者は、かかりつけ医を受診した。

 症状の悪化が見られないため、患者は検査を受けずに帰宅した。

 5月04日(ワクチン接種3日後)朝4:30頃、患者は突然大声をあげた。

 意識消失。患者の母親が救急要請した。

 救急隊接触時、心室細動であった。

 除細動を施行するも停止せず、心肺蘇生継続した状態で搬送。

 搬送後も心室細動は継続、ICUに入室した。

 5月09日(ワクチン接種8日後)頭部CTにて、低酸素、ヘルニア状態がみられた。

 心機能の改善はみられなかった。

 5月11日(ワクチン接種10日後)患者は、死亡した

 病理解剖の結果、左心室の広範な心筋炎所見(心筋の広範な壊死)を認め、劇症型心筋炎と判断した。

 報告された死因:心筋炎、脳ヘルニア、低酸素症、心筋壊死、不整脈、左室壁運動低下

 本報告は、心筋炎の基準を満たしている。

 報告医師は、事象を重篤(死亡)と分類した。

 報告医師コメント:時系列と、心筋炎の原因となるその他の因子を認めないことから、今回の事象の原因がワクチン接種である可能性は十分に考えられる。

<専門家評価コメント(令和5年3月10日時点)>

 ワクチン接種後劇症型心筋炎を発症し、接種10日後に死亡した症例。時間的経過からワクチンとの因果関係が示唆されるが、心筋炎に関しては市中感染症などを契機として自然発生することが知られている疾患であり、ワクチンによる心筋炎なのか、ワクチンとは関係の無い自然発生した心筋炎なのかを判別することは困難である。

<専門家評価コメント(令和6年1月26日時点)>

 病理解剖で広範な心筋壊死の指摘があり、COVID関連心筋炎を示唆する証拠に足ると考えるが、情報不足のためその他の原因も否定できません。

 

○(令和4年5月3日)接種

▽15歳の男性

 病歴等:なし

 5月03日 男性患者はワクチン3回目接種を受けた。

 5月09日(ワクチン接種6日後)飛蚊症を自覚し、眼科受診した。

 両眼の視神経周囲炎、左眼の乳頭周囲出血、硝子体出血を認めた。

 精査の結果、明らかな原因がなく、ワクチン関連の症状と診断した。

 視神経周囲炎に対して入院し、治療を施行した。

 経過良好のため退院した。

 以後外来で経過観察中であった。

 

○(令和4年5月6日)接種

▽12歳の男性

 病歴等:免疫介在性壊死性ミオパチー(継続中)

 5月06日 男性患者はワクチン3回目接種を受けた。

 5月07日(ワクチン接種1日後)38.0度の発熱があった。

 患者は熱でよく寝られなかった

 午前中、前日食べたものを殆ど嘔吐した。

 昼頃、焦点が合わない、手足が冷たい、顔が蒼いなどが発現した。

 患者は救急搬送された。

 意識障害、発熱を認めた。

 傾眠で名前を呼ぶと開眼するが、声をかけていないとすぐ寝てしまった。

 会話は成り立たず、何を問いかけても「うん」のみ応答した。

 指示入らず、従命不可であった。

 患者は、急性脳症と診断された。

 入院した。

 5月10日(ワクチン接種4日後)意識は改善傾向も、脳波での徐波は残存し、基礎波の形成も不明瞭であった。

 5月20日(ワクチン接種14日後)経過良好のため退院となった。

 報告医師は、事象を重篤に分類し、事象とワクチンとの因果関係を評価不能とした。他要因の可能性は、感染症による急性脳症、免疫介在性壊死性ミオパチーを含んだ。

 

○(令和4年5月7日)接種

▽16歳の男性

 病歴等:花粉症、咳喘息(罹患中か不明)

 5月07日 男性患者はワクチン3回目接種を受けた。

 5月11日(ワクチン接種4日後)患者は体育の授業中、長距離走で1000~1200メートル走った後に、卒倒した

 心肺停止、心室細動、心室性頻脈、失神を発現した。

 心肺蘇生法が続けられた。

 卒倒から22分後、体動が確認され、心肺蘇生法は中止された。

 患者は報告者の病院へ救急搬送された。

 救急隊の到着時、心拍再発が確認され、意識レベルが改善した。

 致死性不整脈を発現した可能性があった。

 患者は心筋症のため入院した。

 5月20日(ワクチン接種13日後)皮下植込み型除細動器が挿入された。

 5月27日(ワクチン接種20日後)患者は退院し、その後外来患者として経過観察となった。

 事象の転帰は未回復、および回復したが後遺症ありであった。

 報告薬剤師は事象を重篤(生命を脅かす、障害)とし、事象とワクチンとの因果関係について評価不能とした。考えられる他要因は、QT延長症候群、カテコラアミン誘発性心室頻拍、心筋症、ブルガダ症候群などであった。

 報告薬剤師のコメント:ワクチンによる医薬品副反応の可能性が完全に否定できないため本症例を報告する。

 

○(令和4年5月9日)接種

▽48歳の男性

 病歴等:報告なし

 5月09日 男性患者はワクチン3回目接種を受けた。

 5月16日(ワクチン接種7日後)接種部位の遷延性神経障害が発現した。

 左上腕の神経障害、挙上困難が認められ、就業、運転に支障ありであった。

 事象の転帰は回復したが、後遺症ありであった。

 報告医師は、事象を重篤(障害につながるおそれ)と分類し、事象とワクチンとの因果関係は関連ありと評価した。他要因の可能性はなかった。

 報告医師のコメント:障害が固定するか、経過観察が必要である。

 

○(令和4年5月10日)接種

▽15歳の男性

 病歴等:コロナウイルス感染(2022/01)

 5月10日 男性患者はワクチン3回目接種を受けた。

 5月11日(ワクチン接種1日後)から頭痛、発熱が3日間続き一旦軽快した。

 5月23日(ワクチン接種13日後)ひどい頭痛、だるさが始まり、ずっと治らない。

 検査では異常なし。

 起立できないことがあり、起立不耐症と診断名をつけた。

 7月27日(ワクチン接種78日後)事象の転帰は未回復であった

 報告医師は、事象を重篤(障害)と分類し、事象とワクチンとの因果関係は関連ありと評価した。

 報告医師の意見:面接していて、心因性とは思えないため、報告する。

 

○副反応検討部会(令和4年5月13日)接種後の死亡事例が1711人に増加。

⇒審議の概要(厚労省HP)

(全体のまとめとして)これまでの報告によって(省略)引き続き安全性において重大な懸念は認められないと評価されました。

(死亡例の報告について)現時点において、ワクチンとの因果関係があると結論づけられた事例はなく、3回目接種後の事例を含め、引き続き集団としてのデータを系統的に検討していくこととされました。

小児接種後の事例について)対象期間以降に死亡例の報告が1件あり、専門家による評価では、情報不足等によりワクチンとの因果関係が評価できない(γ)とされました。

⇒小児接種後の死亡例報告により、次回以降(死亡例の報告について)は(12歳以上の死亡例の報告について)に変更されます。

 

 

 vol.16時系列の内容は以上です。

 

 国の情報提供における「メリット」「ベネフィット」は、「個人」が「接種の的確な判断に資する」ための「分かりやすい」ものとなっているのでしょうか。

 あらゆる対象集団を一括りにした「接種のメリット>リスク」との情報提供は、適切と言えるのでしょうか。

 

 

 vol.17に続きます。

 

 vol.15はつぎのとおりです。