(2024.3.6)

 

 

 新型コロナワクチン接種後の症例経過(副反応疑い報告)などついての内容(抜粋要約、時系列)はつぎのとおりです。

 

○副反応検討部会(令和3年5月12日)接種後の死亡事例が39人に増加。

⇒審議の概要(厚労省HP)

(全体のまとめとして)これまでの報告によって引き続き安全性において重大な懸念は認められないと評価されました。

(死亡例の報告について)現時点で、ワクチン接種によるメリットはリスクを上回ることから、引き続き状況を注視していくこととされました。

 

○(令和3年5月12日)接種(令和3年5月14日)死亡

▽94歳の女性

 病歴等:なし

 5月12日 女性患者はワクチン接種を受けた。

 5月14日(ワクチン接種2日後)発熱と倦怠感を発症した。診察後、施設に戻った。

 夜間、心肺停止状態で搬入された。蘇生後、入院。死亡した

 死因は、肺塞栓症心筋梗塞と推定された。

 報告医師は、事象は重篤であり、事象とワクチンの因果関係は評価不能とした。 他要因の可能性の有無は不明であった。

 報告者意見:ワクチンとの因果関係は否定できない

<専門家評価コメント(令和6年1月26日時点)>

 経過・詳記不足。

 

○(令和3年5月12日)接種

▽59歳の女性

 病歴等:なし

 5月12日 10:30 女性患者はワクチン2回目接種を受けた。

(ワクチン接種70分後)突然嘔吐3回、冷汗頭痛、左上肢のしびれが出現した。

 11:55 両上肢不随意運動が発現。救急搬送アナフィラキシーを発現。

 5月21日 未回復であった

 報告医師は、本事象を重篤と分類し、事象ワクチンとの因果関係を関連ありと評価した。他要因の可能性はなかった。

 報告医師のコメント:搬送先の病院にて処置後、両上肢筋力低下異常知覚が続いており、専門病院にてフォローアップを受けている。

 

○(令和3年5月12日)接種

▽44歳の女性

 病歴等:なし

 5月12日 女性患者はワクチン2回目接種を受けた。

 5月18日 倒れているところを職場のスタッフが発見し、救急要請した。意識障害、左半身麻痺があった。頭部CTにて右被殻出血が認められた。緊急開頭血腫除去術が行われた。

 脳出血を発現した。入院した。

 6月09日 リハビリのため他院に転院となった。

 回復したが後遺症あり(左半身麻痺、意識障害)であった。

 報告医師は、事象を重篤(障害)と分類し、ワクチンに関連ありと評価した。その他に可能性のある要因はなかった。

 報告医師コメント:患者は既往歴がなく、比較的若い女性のため、ワクチンの影響であった可能性がある。

 

○(令和3年5月12日)接種

▽40歳の女性

 病歴等:なし

 5月12日 女性患者はワクチン2回目接種を受けた。

 ワクチン接種後、全身倦怠感が出現した。クリニックを受診した。

 点滴後も改善されなかった。

 めまい、頭痛が出現した。

 患者は神経症と診断された、しかし、倦怠感は継続していた。

 患者は、仕事もできなかった

 8月02日(ワクチン接種の82日後)未回復であった

 報告医師は、事象(神経症、身体症状症)を非重篤(しかし、仕事はできない)と分類し、事象がワクチンに関連ありと評価した。能性のある他要因は、神経症であった。

 報告医師コメント:心身症であるかもしれないが、ワクチン接種後に起きたことは明らかである。きちんとした体制が必要である。

 8月31日追加報告:報告医師は、事象めまい、頭痛、全身倦怠感を重篤(永続的、顕著な障害、機能不全)と分類した。

 

○(令和3年5月13日)接種

▽51歳の女性

 病歴等:なし

 5月13日 女性患者はワクチン2回目接種を受けた。

 5月14日 39.5度の発熱があった。

 5月17日 解熱した。口唇のしびれが出現した。

 5月20日 口唇の麻痺が出現。

 5月22日 顔面神経麻痺により、脳神経外科を受診。

 6月02日 総合病院耳鼻科を受診。顔面神経麻痺の原因は特定できず、ベル麻痺の診断となった。入院した。

 6月09日 退院。

 6月11日 顔面神経麻痺は軽減したが、残存した状態

 6月21日 顔面神経麻痺は後遺症ありであった。

 報告者は事象を重篤に分類し、ワクチンとの因果関係は評価不能とした。他要因の可能性は特発性と報告されている。

 報告医師のコメント:高熱が複数日生じたのちの発症で、消耗して惹起された可能性がある。右ベル麻痺、顔面神経麻痺、口唇の麻痺、口唇のしびれは後遺症ありであった。

 

○(令和3年5月13日)接種

▽18歳の女性

 病歴等:なし

 5月13日 女性患者はワクチン1回目接種を受けた。

 5月19日頃から、37~38度台の発熱があった。

 5月25日(ワクチン接種12日後)強直間代性けいれんが発現した。近医に緊急搬送となった。

 入院したが、けいれん発作が頻回となった。

 5月26日(ワクチン接種13日後)患者は当院に転院した。

 自己免疫性脳炎が疑われた。免疫治療が行われた。

 治療は、現在も継続中であった。

 事象の転帰は、未回復であった

 報告医師は、事象を重篤と評価し、事象とワクチンの因果関係を評価不能とした。

 

○(令和3年5月13日)接種

▽26歳の女性

 病歴等:慢性副鼻腔炎など(継続中)

 5月13日 女性患者はワクチン2回目接種を受けた。

(ワクチン接種日)患者は全身の倦怠感、四肢の脱力感、腕の痛みなどを発現した。

 30分位座りこみ、夜中から高熱が2日間程続いた。

 食欲不振、倦怠感、腰背部痛とふらつきが何日も続いた。

 両前腕のだるさがとれず、仕事に支障があった。

 6月03日(ワクチン接種21日後)医療機関を受診し検査を行い、投薬開始した。

 症状は変わらず、6/15から悪くなった。

 歩行困難になり1週間寝込んだ。

 両前腕のだるさがある時は、ペットボトルのふたを開ける力がなかった。

 病院に通院し検査を受けたが、異常はなかった

 7月13日(ワクチン接種61日後)症状は軽減しなかった。

 ブレーキを踏むことができないなど、脱力があった。

 下半身がすごくだるい、両前腕がだるい、そのためしばしば、キツくて横になっている

 7月19日(ワクチン接種67日後)患者は病院に入院した。その後、他の病院に入院した。

 3月04日(ワクチン接種295日後)事象の転帰は未回復であった

 患者は生来健康で、スポーツを毎週行っていた。

 報告医は事象を重篤(障害)と分類し、事象はワクチンへの関連ありと評価した。他要因の可能性はなかった。

 報告医師コメント:ワクチン接種前にみられなかった症状が、明らかにワクチン接種後に認められた

 

○(令和3年5月14日)接種(令和3年5月18日)死亡

▽87歳の男性

 病歴等:慢性腎不全

 5月14日 男性患者はワクチン接種を受けた。

 その夜、下痢が発現し始めた。

 5月16日 受診し、脱水とアシドーシス(血液pHの低下)が認められた。入院した。

 5月17日 透析が実施され、患者の状態は安定しているようだった。

 5月18日 呼吸停止し、死亡した

 報告医師は、事象を重篤と分類し、事象とワクチンとの因果関係を評価不能とした。

 その他の要因の可能性:下痢をきっかけに脱水、アシドーシスが進行し、呼吸停止に至った

 報告医師のコメント:ワクチン接種後の下痢は副反応として報告されていたので、今回の下痢はワクチン接種が起因となったと考えられた。患者は慢性腎不全の基礎疾患があり、透析を受けていたので、下痢をきっかけに脱水、アシドーシスが進行し、状態は急変し、死亡に至ったと推察された。

<専門家評価コメント(令和6年1月26日時点)>

 コメント無し

 

○(令和3年5月14日)接種(令和3年5月23日)死亡

▽78歳の女性

 病歴等:高血圧など

 5月14日 女性患者はワクチン接種を受けた。

 5月17日 腹痛、血便を発症した。

 著しい血液凝固機能障害を認めた。急性硬膜下血腫、くも膜下出血、脳出血、肺出血、小腸出血、腹腔内出血を示した。

 5月19日 入院した。

 5月20日 倒れているところを発見された。心肺停止を発現した。蘇生を得た。

 5月23日 死亡した

 報告医師は、事象を重篤と分類し、事象はワクチンと関連ありと評価した。事象を引き起こす可能性のある他の要因として、何らかの後天的な血液凝固異常疾患が考えられた。

 報告医師のコメント:接種3日後に、出血素因のない患者が著しい血液凝固機能障害を呈した。患者は最初、眼球結膜出血、小腸出血、腹腔内出血を発現し、その後、頭蓋内出血をきたして、死亡した

 ワクチン接種に起因すると疑わざるを得ない

<専門家評価コメント(令和6年1月26日時点)>

 ワクチン接種後に出血性イベントを認め、死亡に至っている。出血傾向、凝固活性の結果からは、凝固因子の欠乏症の可能性はあるが第五因子欠乏症と判断する根拠はない。また、そのほかの病態(DICや肝不全など)による凝固異常も考慮される。時間経過からはワクチン接種との関連も推測されるが詳細不明で判断は困難である。

 

○(令和3年5月15日)接種(令和3年5月17日)死亡

▽88歳の女性

 病歴等:認知症、糖尿病、類天疱瘡、脳血管障害、心疾患

 5月15日 女性患者は2回目ワクチン接種を受けた。

 5月16日 朝食まで問題なし。

 突然、患者の反応が悪くなり、口の中から残渣(残りかす)を吸引した。その後、意識障害が続いた。

 5月17日 呼吸停止を発現した。死亡が確認された。

 患者は少量の嘔吐をしており、このことから嘔吐後の窒息と考えられた。誤嚥性肺炎と死亡診断書に記載された。

 報告医師は、事象を重篤と分類し、事象はワクチンと関連ありと評価した。他の要因として、脳血管障害、心疾患が考えられたが、検査は行われなかった。

 報告医師のコメント:ワクチン接種後の嘔気は多数報告されており、患者はワクチン接種に関連する嘔吐から窒息したと推察した。

<専門家評価コメント(令和6年1月26日時点)>

 ワクチン接種翌日の朝食まで問題なし。その後当日10時に意識障害、翌日死亡との記載があるが、朝食後の経緯が不明。誤嚥性肺炎、呼吸停止に至るまでの情報に関しても不足していることより因果関係を評価できないと考えます。

 

○(令和3年5月15日)接種

▽26歳の女性

 病歴等:なし

 5月15日 女性患者はワクチン2回目接種を受けた。

(ワクチン接種日および翌日)左大腿部疼痛、左つま先のしびれが発現した。

 治療を受けたが、対応策がなかった。

 5月16日(ワクチン接種1日後)悪寒、倦怠感、筋肉痛を発現した。

 5月18日(ワクチン接種3日後)腹痛、下痢、嘔吐を発現した。

 5月20日(ワクチン接種5日後)状態は悪化し、歩行障害を発現した。

 左下肢のうっ血を発現した。

 病院を受診した。

 検査を受けたが、原因はわからなかった。

 ギラン・バレ症候群疑い、末梢神経障害、知覚異常を発現した。

 報告者は、事象を重篤(障害)と分類し、事象が障害/永続的な損害に至ると述べた。

 5月24日(ワクチン接種9日後)患者は別の病院を受診した。

 7月21日(ワクチン接種67日後)歩行240m、しびれ、痛みのため、遠くまで行けなかった。

 事象の転帰は、回復したが後遺症ありであった。

 後遺症は、しびれ、歩行障害であった。

 事象の転帰は未回復であった

 事象は重篤(障害につながるおそれ)と分類され、事象とワクチンとは因果関係ありと評価された。事象を引き起こす可能性のある他の要因はなかった。

 10月20日(ワクチン接種158日後)から、杖歩行。屋外では車椅子を使用した。

 長く歩くと痛くなり、休憩が必要であった。

 外来にてリハビリを開始した。

 1月12日(ワクチン接種242日後)7000歩以上歩いて、疲労、ふくらはぎのしびれが生じた。

 報告者意見:患者は2回目接種前、全く健康的な若い女性であった。症状は接種の翌日発現し、毎日悪化し続けた。ワクチンは強い副反応がある

 

○(令和3年5月17日)接種(令和3年5月17日)死亡

▽81歳の女性

 基礎疾患等:脳梗塞

 5月17日 13時30分頃 女性患者はワクチン1回目接種を受けた。

(ワクチン接種3時間後)発熱39.6度、嘔吐

(ワクチン接種4時間後)心肺停止状態で発見。

 17時45分 救急要請

 18時22分 当院搬送。午後18時38分死亡確認

 死因等:心肺停止、急性大動脈解離

 報告者意見:ワクチンとの因果関係は臨床的に不明である。

 他要因の可能性:急性大動脈解離

<専門家評価コメント(令和6年1月26日時点)>

 コメント無し

 

○(令和3年5月19日)接種(令和3年5月19日)死亡

▽89歳の女性

 基礎疾患等:慢性心不全(4月まで入院)、在宅ケア、日常生活動作全介助など

 5月19日 報告医師が患者宅を訪問。

 10:15 女性患者はワクチン接種を受けた。

(ワクチン接種45分後)報告医師は患者を観察し、病院に戻った。患者は手を振り医師に挨拶。

(ワクチン接種60分後)呼吸状態の異常が発現した。急変。患者の家族は報告医師に報告。

 11:19 報告医師は、患者を緊急に往診した。

 11:25 往診時、心肺停止状態であった。

 11:52 患者を近隣の救急医療施設に搬送した。搬送中、患者は心静止状態であり、蘇生を継続して実施したが、患者は死亡した

 死因等:心肺停止

(解剖医療機関の評価)

 ワクチンとの因果関係:関係あり

 他要因の可能性の有無:慢性心不全など

<専門家評価コメント(令和6年1月26日時点)>

 コメント無し

 

○(令和3年5月19日)接種(令和3年5月20日)死亡

▽98歳の女性

 基礎疾患等:慢性心不全、不眠症、睡眠障害、心房細動

 5月19日 8:15 女性患者はワクチン接種を受けた。

 5月20日 15:00頃 発熱ありと電話相談あり。その後、救急搬送された。

 19:28 永眠

 死因等:発熱(40度)

 報告者は事象を重篤(死亡)と分類して、事象とワクチンの因果関係を「確実」と評価した。

<専門家評価コメント(令和6年1月26日時点)>

 WBC増加を伴う肺炎であり誤嚥が疑われる。ワクチン接種からの時間からみてワクチン接種が肺炎を誘発した可能性は低いと考える。発熱はワクチンの可能性があるが,誤嚥性肺炎もあるため判別は困難。発熱・頻脈・心不全・呼吸不全により心停止に至ったと考えられる。

 

○(令和3年5月19日)接種(令和3年5月24日)死亡

▽88歳の女性

 病歴等:なし

 5月19日 女性患者はワクチン接種を受けた。

 5月22日 発熱を発現した。

 5月24日 意識消失を発現した。救急車にて搬送された。

 重症溶血性貧血を認め、TTPの激症化が疑われた。緊急治療室へ搬送された。

 死亡した

 報告医は、患者に溶血が見られたとした。

 報告医は、事象については重篤と判断し、ワクチンとの因果関係は否定できないとした。

<専門家評価コメント(令和6年1月26日時点)>

 TTPを確定診断できる情報なし。溶血性貧血を確定診断できる情報なし。

 

○(令和3年5月19日)接種

▽37歳の女性

 病歴等:ナスアレルギー、甲状腺機能低下症など(多様なアレルギーを保持していたが、心臓に関する基礎疾患はなかった。)

 5月19日 女性患者はワクチン1回目接種を受けた。

 5月22日 嘔気が発現。続いて嘔吐、全身倦怠感、軟便が発現。嘔気、倦怠感は徐々に悪化。

 5月24日 発熱が発現。

 5月25日 体動困難が発現。受診し、心筋炎と診断された。入院した。

 報告医師は心筋炎を重篤(死亡につながるおそれ)と分類し、ワクチンに「関連あり」と評価した。

 報告医師のコメント:事象が、ワクチン接種から4日以内に発現したことから、ワクチンの関連性が示唆された。患者の心筋炎は未回復であった。本事象(心筋炎)は重篤(生命を脅かすもの)と評価された。

 

○(令和3年5月20日)接種(令和3年5月24日)死亡

▽93歳の男性

 病歴等:心疾患、心臓ペースメーカー植込み術後。

 5月20日 11:25 男性患者はワクチン初回接種を受けた。

(ワクチン接種12分後)急に反応しなくなり、呼びかけに返事がなかった。呼吸一時停止を発症。

 13:06 心室性頻脈を発症。

 5月21日 呼吸苦

 5月24日 心室頻拍を何回も繰り返し、無呼吸となった。その後、自発呼吸がみられた。

 死亡した。死因は心筋障害と報告された。

 報告医師は、報告事象(心筋障害)がワクチンに関連ありと評価した。他に考えられる事象の原因はなかった。

<専門家評価コメント(令和6年1月26日時点)>

 基礎に心疾患を有する超高齢者であるため、ワクチンとの因果関係を評価するためには情報が不足している。

 

○(令和3年5月20日)接種(令和3年5月27日)死亡

▽80歳の女性

 病歴等:関節リウマチ

 5月20日 女性患者はワクチン2回目接種を受けた。

 頭痛嘔気の自覚症状があったが様子を見ていた。

 5月24日 意識レベルの低下、また黒色吐物に気がついた。救急車にて搬送。

 頭部CTにてくも膜下出血所見を認めた。血小板数異常低値

 くも膜下出血、血小板減少を発現した。入院した。

 5月25日 意識レベルが改善し、声掛けで容易に覚醒し、名前を言えるようになった。しかし、血小板数は依然として低値。意識レベルが再び悪化。腎機能増悪を認め、尿毒症所見を認めた。

 5月26日 血小板数は低値を持続。水頭症・頭蓋内圧亢進症状が出現した。

 5月27日 死亡

 報告医師は、事象を重篤(死亡)と分類して、事象がワクチンに関連があると評価した。

 報告医師のコメント:ワクチンの2回目投与直後のタイミングであり、ワクチンによる因果関係は否定出来ないものと推察される。発症直前に投与されたワクチンが、致死的な血小板減少を誘発し、その結果クモ膜下出血をきたした原因薬剤として、現時点で最も可能性が高いと考える。

<専門家評価コメント(令和6年1月26日時点)>

 時間的な経過からワクチンが血小板減少を引き起こした可能性が高いと考える。ただ、血小板減少のみでクモ膜下出血を引き起こすことはまれと考える。クモ膜下出血の原因として他の要因があり、血小板減少が致死的にした可能性を考える。

 

○(令和3年5月20日)接種(令和3年5月27日)死亡

▽80歳の男性

 病歴等:塵肺症、心房細動、糖尿病

 5月20日 男性患者はワクチン初回接種を受けた。

 接種後より、体調不良を訴えた。

 5月22日 呼吸困難、嘔気、嘔吐が出現した。心肺機能不全を発症した。

 5月23日 症状が続くため救急要請をした。入院した。

 持病としての塵肺症の増悪、肺炎の併発が考えられた。

 5月27日 急激に全身状態、呼吸状態が悪化した。急激な血圧低下を来し、死亡した

 塵肺症などが原因となる心不全にて死亡したものと推定される。

 報告医は、事象である心肺機能不全を重篤(死亡)と分類し、事象がワクチンに関連していると評価した。他要因で考えられる原因は、塵肺症であった。

 医師の意見:患者は、塵肺症、心房細動、糖尿病の基礎疾患を持ち、定期的に通院中であった。定期検査では、日ごろと大きな変化はなかった。ワクチン接種を受け、2日後に嘔吐、呼吸困難が出現し、急激な全身状態の悪化があり、救急搬送され緊急入院となる。今回のエピソードは、ワクチン接種がトリガーになった可能性を否定出来ない。

<専門家評価コメント(令和6年1月26日時点)>

 本剤の接種が増悪トリガーとなったことが否定できないとする担当医の意見が記されているが、得られた情報には増悪原因を特定する情報は含まれず、情報不足により評価不能と判断するのが適切と考えられる。重篤、重症疾患を背景に有す患者の接種例については、引き続き情報収集と検討継続を要す

 

○(令和3年5月20日)接種

▽28歳の女性

 病歴等:なし

 5月20日 女性患者はワクチン初回接種を受けた。

 6月02日 左まぶた下垂痙攣を覚えた。病院を受診。

 6月07日 症状は軽快していたが、完全には回復していなかった。報告される症状は、けいれんと末梢神経障害

 報告医師は、事象を重篤(障害につながるおそれ)と分類し、事象はワクチンと関連ありと評価した。他の因果関係要因はなかった。

 報告医師のコメント:QOL(生活の質)とADL(日常生活動作)が損なわれた。患者は28歳の女性で、本週は外来に行くことさえできなかった

 

○(令和3年5月20日)接種

▽24歳の女性

 病歴等:小児喘息

 5月20日 女性患者はワクチン初回接種を受けた。

 5月21日 右上肢全体の腫れぼったい感じ、しびれ感が出現した。

 右手の小指を中心に冷汗、しびれ感が出現し、手を握る動作で違和感があった。

 夕方になると、小指については屈曲が困難になった。

 接種後1週間以上経過しても、症状は改善しなかった。末梢神経障害が報告された。

 5月29日 未回復であった

 報告者は事象を重篤(障害につながるおそれ)に分類し、ワクチンとの因果関係を評価不能とした。他要因の可能性の有無は不明であった。

 

○(令和3年5月21日)接種(令和3年5月21日)死亡

▽91歳の女性

 病歴等:認知症など。

 5月21日 女性患者はワクチン接種を受けた。

(ワクチン接種5時間半後)死亡した急性心不全疑い。

 報告医は、ワクチンとの因果関係を完全に除外することはできないと判断した。 高齢を考慮すると急性心不全ではないかと推測したが、解剖していないためわからないと述べた。

 報告医は、事象を重篤と分類して、事象がワクチンに関連する可能性を小と評価した。

<専門家評価コメント(令和6年1月26日時点)>

 コメント無し

 

○(令和3年5月21日)接種

▽20歳の女性

 病歴等:なし

 5月21日 女性患者はワクチン2回目接種を受けた。

(ワクチン接種6時間後)息苦しさがあった。遅延型アナフィラキシーを発現。

 5月22日 発熱、頭痛、関節痛、腰痛、咳嗽、吐気を発現。

 5月23日 発熱は下がったが、少し歩くだけで息切れを発現した。めまいも見られた。

 5月24日 関節痛、息切れ、吐気、めまいは持続した。

 5月25日 病院を訪れた。

 息が深く吸えない感じがあった。臓器症状が少なくとも3箇所以上あるなど、アナフィラキシーと考えられた。薬剤が投与された。

 点滴終了時、症状は改善し、患者は帰宅した。

 事象は回復した。

 報告者は事象を非重篤と分類した。事象とワクチンとの因果関係は関連ありであった。

 

○(令和3年5月21日)接種

▽32歳の女性

 病歴等:なし

 5月21日 女性患者はワクチン2回目接種を受けた。

(ワクチン接種10~15分後)意識障害、四肢麻痺が発現した。意識は救急室で清明となった。

 患者は筋痛性脳脊髄炎慢性疲労症候群を発症した。

 2日後、四肢麻痺は回復し退院した。

 しかし以後、患者は重度の疲労立位不耐性認知機能低下

 日常生活も困難であった。

 1月24日(ワクチン接種から248日後)未回復であった

 報告医師は、事象を重篤(障害につながるおそれ)と分類し、事象がワクチンに関連ありと評価した。 他要因の可能性は無かった。

 報告医師コメント::ワクチンが原因と考えていた。症例の蓄積が必要であり報告した。

 

○(令和3年5月23日)接種(令和3年6月3日)死亡

▽72歳の男性

 病歴等:透析を受けていた。

 5月23日 男性患者はワクチン初回接種を受けた。

 5月28日 持続する嘔気と嘔吐を覚えた。

 6月01日 診察。軽度の意識レベル低下血小板減少炎症反応上昇を認め、経過観察のため入院した。

 6月03日 意識レベル低下と血圧低下を認めた。

 心停止と呼吸停止が確認された。心肺蘇生は望まれず、死亡が確認された。

 死亡後のCTで脳静脈洞に血栓が認められた。

 ワクチン接種に関連する血栓と血小板減少が生じた可能性があると考えられた。

 報告医師は、事象を重篤(死亡)と分類し、事象とワクチンは関連ありと評価した。他の因果関係要因はなかった。

<専門家による評価コメント(令和6年1月26日時点)>

 Dダイマーが正常であるのでTTSは否定的と考える。5月28日に脳静脈洞血栓症との記載があるが、この時点では未診断と思われる。血小板減少はワクチンの可能性はあると考える。その他の事象は、透析などの影響もあり判定できない。

 

○(令和3年5月23日)接種(令和3年5月24日)死亡

▽84歳の女性

 病歴等:未破裂脳動脈瘤

 5月23日 女性患者はワクチン接種を受けた。

(ワクチン接種8時間半後)くも膜下出血を発症した。風呂場で横になっているのを発見され、救急搬送された。救命困難であった。

 5月24日 死亡した

 報告した医師は、事象を重篤と分類し、事象とワクチンとの因果関係を評価不能とした。他に考えられる事象の原因は不明であった。

 報告医師のコメント:ワクチン接種日のくも膜下出血発症であるが、ワクチンとの因果関係は不明。

<専門家評価コメント(令和6年1月26日時点)>

 くも膜下出血はそれだけでも重篤な病態であるが、もともと未破裂脳動脈瘤が指摘されていたという情報以外に、血圧コントロール状況やその他の患者背景は明らかになっておらず、ワクチン接種とくも膜下出血による死亡の因果関係を評価することはできない。

 

○(令和3年5月24日)接種(令和3年6月6日)死亡

▽90歳の男性

 病歴等:脳梗塞など

 5月24日 男性患者はワクチン初回接種を受けた。

 5月31日 全身倦怠感と微熱があり、患者は来院した。溶血性貧血を疑った。

 6月03日 溶血性貧血と確診した。

 定期的な血液検査では、貧血を示さなかった。事象発現までの3ヵ月半の間に、新規投薬や感染症罹患はなく、その他の原因は否定できる。 直前のワクチン接種を考慮すると、事象はワクチン接種による副反応と考えられた。

 6月06日 死亡した

 報告医師は、本事象を重篤(死亡)と分類し、ワクチンに関連ありと評価した。可能性のある他要因はなかった。

 報告医師コメント:本件において、ワクチン接種と死亡との因果関係は否定できない

<専門家評価コメント(令和6年1月26日時点)>

 AIHAとITPが複合的に生じた可能性は否定できない。CTの細かい読影があれば、有り難い。

 

○(令和3年5月24日)接種

▽72歳の女性

 病歴等:なし

 5月24日 女性患者はワクチン初回接種を受けた。

 5月25日 左上腕の注射部に疼痛が発現。

 5月26日 左肩、左肘関節部の痛みが発現。

 5月29日 左肘関節の痺れが発現。左肩・左肘関節部の痛みは徐々に増強し眠れなくなった

 5月31日 病院を受診した。

 6月02日 他の大学病院の患者支援センターを受診し、ワクチン接種の副反応として末梢神経痛(神経障害性疼痛疑い)と診断された。

 6月04日 痛みは横ばいで経過している。未回復であった

 報告医師は、事象を重篤(障害者につながるおそれ)と分類し、ワクチンに関連ありと評価した。他要因の可能性は「無し」であった。

 報告者意見:ワクチンによる末梢神経障害である。

 

○(令和3年5月25日)接種(令和3年6月4日)死亡

▽85歳の男性

 病歴等:予診票での留意点なし。

 5月25日 男性患者はワクチン1回目接種を受けた。

 5月30日(ワクチン接種5日後)呼吸困難を主訴に、病院で受診した。

 胸部CT上、両側肺野のスリガラス影、右胸水を認めた。

 急性間質性肺炎と診断された。

 6月4日(ワクチン接種10日後)死亡した

 報告医師は本事象を重篤(死亡)と分類し、事象とワクチンとの因果関係を関連ありと評価した。他要因の可能性はなしであった。

<専門家評価コメント(令和3年6月23日時点)>

 急性間質性肺炎/IPF急性増悪の症例である。本疾患は副作用として発現することは起こり得ると考えられるが、現時点では肯定も否定もできない。

<専門家評価コメント(令和3年7月7日時点)>

 喫煙歴不明だが高齢の男性であることから、元々、間質性肺炎が存在していた可能性がある。ワクチン接種を契機に間質性肺炎が増悪した可能性は否定できない。ただし、右胸水に関しては、間質性肺炎だけでは説明できず、何らかの別の疾患の存在も想定される。

<専門家評価コメント(令和6年1月26日時点)>

 ワクチン接種4日で両肺にすりガラス影を認め、死亡している。心不全で説明は困難であり、何らかの間質性肺障害を起こしているものと思われる。ワクチン接種との因果関係は不明で、その他の原因による急性間質性肺炎も否定できない。

 

○(令和3年5月25日)接種

▽20歳の女性

 病歴等:なし

 5月25日 女性患者はワクチン1回目接種を受けた。

(ワクチン接種15分後)左手の痺れ感、痛みを発現。尺骨神経領域における疼痛、感覚低下

 予防接種後の末梢性神経障害と診断。

 その後、手の浮腫が発現。疼痛が持続した。

 患者はペインクリニックに紹介され、外来での経過観察中であった。

 6月16日 未回復であった

 報告医師は、事象を非重篤と分類し、事象がワクチン接種に関連ありと評価した。他要因の可能性は、筋肉内注射に伴う神経障害の可能性であった。

 報告医師コメント:注射の手技、手順自体には特段の問題はないと考えられるが、事例発生につながった可能性は否定できない。ただし、時間経過とともに手の浮腫と疼痛が出現しており、ワクチンそのものも、神経障害に関与している可能性ありと考えられる。

 

○副反応検討部会(令和3年5月26日)接種後の死亡事例が85人に増加。

▽審議の概要(厚労省HP)

(全体のまとめとして)これまでの報告によって引き続き安全性において重大な懸念は認められないと評価されました。

(死亡例の報告について)現時点において引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないとされました。

⇒審議の概要(厚労省HP)の(死亡例の報告について)の内容がつぎのとおり変更されました。

(変更前)現時点で、ワクチン接種によるメリットはリスクを上回ることから、引き続き状況を注視していくこととされました。

(変更後)現時点において引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないとされました。

 

 

 vol.3時系列の内容は以上です。

 

 国の情報提供における「メリット」「ベネフィット」は、「個人」が「接種の的確な判断に資する」ための「分かりやすい」ものとなっているのでしょうか。

 あらゆる対象集団を一括りにした「接種のメリット>リスク」との情報提供は、適切と言えるのでしょうか。

 

 

 vol.4に続きます。

 

 vol.2はつぎのとおりです。