母の香りエプロンの洗濯の香りに包丁で切った野菜の香りかき混ぜた味噌の香りに食器を洗った洗剤の香り母の香りいつの間にかわたしの香りになっていた。少し硬くなった手の平幼い時にたくさん触った母の手と同じ。シワが幾つか刻まれていてまだ、ほんの少し若い。いつからだろう。母が時々甘えてくるようになったのは。嬉しいけど、ほんの少しうざい。そんな時…近づいてきた母の体をわざと嫌そうに引き離して母に向かってニコッ!嬉しそうに笑うのだ。