こんばんは。


今回、朝井リョウさんの小説『死にがいを求めて生きているの』を読みました。



この作品は「螺旋プロジェクト」の一冊として手に取ったものです。




プロジェクトを通してさまざまな作家が“命の意味”を問いかける作品を発表していています。



物語の中心にいるのは、植物状態となった一人の青年。


その存在をめぐって、友人たちの視点から物語は進みます。大学生や社会人、看護師といった立場の異なる人物たちが抱えているのは、共通して「認められたい」「自分の存在を証明したい」という思い。


表面上は平凡に見える日常の裏側で、承認欲求や劣等感が渦を巻いているのです。

 

群像劇的な構成で、視点が変わるたびに新しい事実や感情が見えてきます。その積み重ねによって、「死にがい」という言葉の重みがじわじわと迫ってくるのが印象的でした。



SNS社会を生きる私たちの姿にも重なる部分が多く、読みながら何度も自分自身の在り方を振り返らされました。



感想としては、終盤にかけて胸に迫ってくるものがあり、しばらく余韻が抜けませんでした。



「生きがい」ではなく「死にがい」という逆説的な言葉は、結局「どう生きるか」を突きつけるものなのだと感じます。



存在意義や生き方について考えたいときに、深い問いを与えてくれる一冊でした。 


ぜひ他の螺旋プロジェクトの作品とともに

手にとってみてください!

今日も読んでいただきありがとうございました!