こんにちは。
今回は、宮島未奈さんの新作である
**『それいけ!平安部』**を読みました。
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成瀬シリーズでおなじみの宮島さん作品は家族みんなが好きなんです。
今回読んだのは、息子が買ってきた1冊!
読書好きの親としては、こんな図書の“お下がり”が何より嬉しいのです!
物語を動かすのは、強烈な存在感を放つ平尾 安以加。
彼女が立ち上げた部活動「平安部」は、名前からして異色。
「平安の心を学びます」
その言葉に半信半疑で集まった仲間たちは、
次第に“平安の心”という名のもとに、自分の内側と向き合い始めます。
この物語を「体感」し、「変化」していく視点は、安以加目線ではなく——
牧原 栞さん(安以加の同級生)
彼女こそが実質的な主人公であり
読者の目線です。
ちょっと冷めていて、面倒を避けたがるけれど、
本当はどこかで心が揺さぶられるのを待っている。
そんな栞さんの視点を通して、私たちは“平安部”の世界に触れていきます。
とくに印象的だったのは、文化祭のシーン。
部長の安以加ではなく、栞ではなく、訳あって平安部メンバーの1人であるイケメンの光吉くんがかっこいい挨拶をすることになります。
彼は最初、安以加から言われた「平安の心を学ぶ」って何なの?と思っていました。
しかし、仲間と共に平安時代に触れる活動の中で
「平安の心も令和の心もそんなに変わらないんじゃないかなって気づいたんです」
こんな言葉を彼は口にするのです。
——はっとしました。
千年前の人たちも
きっと私たちと同じように
誰かと心を通わせたくて
不安や喜びを抱えていたんじゃないか。
スマホもSNSもない時代にも
手紙を交わし、想いを届けようとした人たちがいた。
時代が変わっても、人が人として求めるものはそんなに変わらない。
そう考えると、“平安の心”って決して昔の遺物じゃなくて、
現代を生きる私たちにこそ必要なものかもしれません。
人に振り回されない軸の強さ。
静かで、でも芯のある優しさ。
派手じゃなくても信じ合える仲間との関係。
お金や名誉ではなく、小さな信頼や仲間が
昔も今も人を豊かにする。
そんな大切なことを、この物語はそっと教えてくれました。
「今どき、こんな部活あるわけないじゃん」
——でも、「もし、こんな居場所があったらよかったのに」と思う自分もいます。
読後、ふっと深呼吸したくなるような感覚が残る一冊でした。
“静かに、でも誇らしく自分を生きる”。
そんな生き方に触れたい時、
**『それいけ!平安部』**は、まっすぐに心に届いてくると思います。
ぜひ成瀬シリーズが誇る宮島さん作品が好きな方もそうでない方も一度手に取ってみてください。
ありがとうございました。