7月17日は評論家・小説家である竹山 道雄
の生誕日。
（1903年7月17日～1984年6月15日）
日本芸術院会員。
第一高等学校教授、東京大学教養学部教授を歴任。
名作『ビルマの竪琴』は今なお読み継がれている。
■竹山 道雄は銀行員の息子として大阪に生まれる。
父の転勤に伴い、1907年から1913年まで
京城（現在のソウル）で過ごす。
■東京府立第四中学校から第一高等学校を経て
1926年に東京帝国大学文学部独文科卒業。
ドイツ語講師として第一高等学校に勤務。
1928年から文部省に派遣されてベルリンとパリ
に留学。
1931年に帰国し、第一高等学校の教授となる。
■戦後、第一高等学校が学制改革によって
新制東京大学教養学部に改組されて間もない
1951年に教授を退官、上智大学など諸大学での
講師を歴任しつつ、ヨーロッパ各地やソ連を
度々訪問した。
〈生成会〉同人として、機関誌心に大きく参与。
月刊誌では『新潮』、『自由』にも多く寄稿。
■戦前のナチズム・軍国主義と戦後の左翼的風潮
には同質性（専制と狂信）があるとして嫌悪し、
自由主義者としての立場を堅持した。
■小説
一高教官として多くの教え子を戦場に送り出した
体験に基づき、1947年に『ビルマの竪琴』を発表。
翌年の1948年に毎日出版文化賞を受賞。
■評論
1940年、日独伊三国同盟締結に際して
『ドイツ、新しき中世?』を発表し、全体主義の
台頭に警鐘を鳴らした。
戦後直後から1950年代にかけては、当時の日本の
社会主義賛美の風潮に抗してスターリニズムへの
疑念を表明。
中道保守の立場から昭和史論争をはじめ、左右双方
の全体主義に警鐘を鳴らし続けた。
1962年に「ヨーロッパの旅」ほかの著作
で読売文学賞。
1983年に日本芸術院会員。
同年、菊池寛賞（第31回）を受賞。
■翻訳
ニーチェ『ツァラトゥストラ』
ヨハンナ・シュピリ『アルプスの少女ハイジ』など。
日本におけるシュヴァイツァーの紹介者。
■小説・評論一覧
『光と愛の戦士』新潮社（少年文化叢書）
『ビルマの竪琴』中央公論社、新潮文庫ほか
『北方の心情』養徳社
『憑かれた人々』新潮社
『希臘にて』早川書店
『手帖』新潮社
『樅の木と薔薇』新潮社
『失われた青春』新潮社 、 新潮文庫
『見て感じて考える』創文社
『古都遍歴－奈良』新潮社（新潮一時間文庫）
『精神のあとをたずねて』実業之日本社
『白磁の杯』実業之日本社
『昭和の精神史』新潮社 新潮叢書のち新潮文庫
『ヨーロッパの旅』新潮社
『續ヨーロッパの旅』新潮社 、新潮文庫
『まぼろしと真実 私のソビエト見聞記』新潮社
『剣と十字架 ドイツの旅より』文藝春秋新社
『京都の一級品 東山遍歴』新潮社
『人間について 私の見聞と反省』新潮社
『時流に反して』〈人と思想〉文藝春秋
『日本人と美』新潮社
『乱世の中から 竹山道雄評論集』読売新聞社
『みじかい命』新潮社
『竹山道雄著作集』（全8巻） 福武書店
『歴史的意識について』講談社学術文庫
『主役としての近代』講談社学術文庫
『尼僧の手紙』講談社学術文庫
『昭和の精神史』講談社学術文庫
『昭和の精神史』中公クラシックス
『竹山道雄セレクション』
■翻訳一覧
『野鴨』 イプセン 岩波文庫
『幽霊』 イプセン 岩波文庫
『民衆の敵』 イプセン 岩波文庫
『わが生活と思想より』 シュヴァイツェル 白水社
『混乱と若き悩み』 トーマス・マン 新潮社
『ツアラトストラかく語りき』 ニーチェ
弘文堂書房 、新潮文庫
『羅馬哀歌』 ゲーテ 角川書店
『人形の家』 イプセン 岩波文庫
『若きヱルテルの悩み』 ゲーテ 岩波文庫
『ハイジ ヨハンナ・スピリ』 岩波少年文庫
『善悪の彼岸』 ニーチェ 新潮文庫
『マリオと魔術師』 トマス・マン 角川文庫
『ゲーテ詩集 2・4』 岩波文庫
ヒャー。
実に多い著作だね。
評論家であり、思想家であり、小説家であり、
翻訳家でもあったんだね。
わたし、以前『ビルマの竪琴』を映画で
見て大変感動した憶えがある。
ところで今回は戦前に軍国主義を
批判した竹山道雄の思想に立脚したところの
『ビルマの竪琴』を読みたいわ。
（つづく）
（注）来歴等に関する出典はWikipedia他
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