(後編)梵天丸も、かくありたい! | キャリア・読書・人生の窓

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汝の一日、かくの如く終れば、汝の一生もまたかくの如し。
そうだ、今日考えたことを書き留めておくことにしよう。

 

### 前回のつづき ###


!?ねえねえ。
タイトルの
「梵天丸も、かくありたい!」
って、いったい何のこと?

 


!!ああそれか。
それはね、病気で右目が失明してしまった
政宗(梵天丸)を励ました人がいたんだ。
それは乳母のお蔦(つた)。
この人がお寺へ連れて行く。


一方、父の輝宗も息子を鍛えるべく、
名僧・虎哉宗乙(こさい・そういつ)を
わざわざ江戸から招いていたんだ。
それで、たまたま同じ寺に投宿していた。


 お寺を参観した梵天丸は、不動明王が
破邪顕正(はじゃけんせい)の神と聞き、
「ではなぜ、こんな恐ろしい貌をなさって
いるのか?」と、蔦に尋ねた。


蔦が困っていると虎哉禅師が、
「不動明王が怖い顔をなさっておられるのは、
この世の不正を監視するためじゃ!
しかし、そのお心は大変優しい方なのじゃ!」
と答えた。


それを聞いて、「梵天丸も、かくありたい・・・
(自分もそうなりたい)」とつぶやいた。


虎哉禅師は、梵天丸の理解の早さに感心し、
輝宗に教育係を引き受けることを告げた。



!?へー、そうだったの。
梵天丸は醜い顔になってしまったけれど、
不動明王の怖い顔を見て、感ずるところが
あったんだね。
子どもの時から賢かったんだ。
それでね、徳川時代になって世の中が
落ち着いてきたら政宗はどんなことをしたの?

 


!!うん。
世情が落ち着いてからは、もっぱら領国の開発に
力を入れ、後に貞山堀と呼ばれる運河を整備した。
北上川水系の流域を整理し開拓、現代まで続く
穀倉地帯とした。


文化的には上方の文化を積極的に導入し、
技師・大工らの招聘を行い、桃山文化に特徴的な
荘厳華麗さに北国の特性が加わった様式を生み出し、
国宝の大崎八幡宮、瑞巌寺、また鹽竈神社、
陸奥国分寺薬師堂などの建造物を残した。


さらに近江在住の技師・川村孫兵衛を招き、
北上川の河口に石巻港を設けた。
これにより北上川流域水運を通じ石巻から
海路江戸へ米を移出する体制が整う。


寛永9年(1632年)より仙台米が江戸に輸出され、
最盛期には「今江戸三分一は奥州米なり」と
『煙霞綺談』に記述されるほどになった。



政宗は2代将軍徳川秀忠、3代徳川家光の頃
まで仕えた。
寛永12年に家光が参勤交代制を発布し、
「今後は諸大名を家臣として遇す」と述べると、
政宗はいち早く進み出て
「命に背く者あれば、政宗めに討伐を
仰せ付けくだされ」と申し出たため、
誰も反対できなくなった。
この時に政宗は完全に幕府を支える人になった。

 


家光は下城する政宗に護身用に10挺の火縄銃
を与えた。

 


1636年春、参勤交代に出発した政宗は急に体調
を崩し、宿泊した郡山では嚥下困難に嘔吐が伴い
何も食べられなくなっていた。
江戸に入った頃には絶食状態が続いた上、
腹に腫れが生じていた。

 


病をおして参府した政宗に家光は、5月21日に
伊達家上屋敷に赴き政宗を見舞った。
政宗は行水して身を整え、家光を迎えた。
しかしお目見え後に奥へ戻る時には杖を頼りに
何度も休みながら進まざるをえなかった。

 

1636年6月27日卯の刻(午前6時)死去。
享年70(満68歳没)。
死因は癌性腹膜炎あるいは食道癌(食道噴門癌)
と推定されている。

 


遺体は束帯姿で木棺に納められ、防腐処置のため
水銀、石灰、塩を詰めた上で駕籠に載せられ、
生前そのままの大名行列により6月3日に仙台へ戻った。
政宗とともに逝った殉死者は家臣15名、陪臣5名。

 


「たとえ病で失ったとはいえ、親より頂いた片目を
失ったのは不孝である」

という政宗の考えから
死後作られた木像や画にはやや右目を小さくして両目が
入れられている。
将軍家は、江戸で7日、京都で3日人々に服喪するよう命令
を発した。
これは御三家以外で異例のことであった。

 

辞世の句
「曇りなき 心の月を 先だてて 浮世の闇を 照してぞ行く」

 

 

 

 

          
          (完)

 

 


           

 

           合格

 

 


(注)来歴等に関する出典はWikipedia他

      

 

 

 

 

 

 


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