なじかは知らねど心わびて、昔の伝えそぞろ身にしむ | キャリア・読書・人生の窓

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汝の一日、かくの如く終れば、汝の一生もまたかくの如し。
そうだ、今日考えたことを書き留めておくことにしよう。

 12月13日はドイツの詩人・評論家

ハインリヒ・ハイネの生誕日。

(1797~1856年)



 ハイネはデュッセルドルフ のユダヤ人の家庭に

生まれる。

名門ゲッティンゲン大学 卒業、法学士号取得。

当初は商人、ついで法律家を目指したがボン大学

シュレーゲル ベルリン大学 ヘーゲル の教えを

受け、作家として出発。



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 『歌の本 』(ローレライ)などの抒情詩を初め、

多くの旅行体験をもとにした紀行や文学評論、

を執筆した。

 その後、革命的な活動と鋭い社会批評のため

に弾圧され1831年にパリに亡命。



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 パリに移住して多数の芸術家と交流を持ち、

若き日のマルクス とも親交があった。

文学史的にはロマン派 の流れに属するが、

政治的動乱の時代を経験したことから、

批評精神に裏打ちされた風刺詩や時事詩も多く

発表している。

平易な表現によって書かれたハイネの詩は、

様々な作曲者から曲がつけられており、

今日なお多くの人に親しまれている。





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・・・・・・わたし「ローレライ」って



     いい歌だと思うわー



     中学のとき、よくみんなで歌ったわ



~~ そうだね。



    ♪ なじかは知らねど



       心わびて



       むかしの伝え



       そぞろ身にしむ・・・・・



       (訳・近藤朔風)



      っていう歌だろ? 訳もよかった!



・・・・・・ ところでこの「むかしの伝え」



      っていったいなあに?



~~ ああそれか。そうくると思った。



      ドイツを旅する日本人は



      なにをさておいてもライン川を



      下ってローレライを観るよね。



     むかしの伝え」というのは



     この岩の魔力に引きよせられて



     破滅する舟乗りの伝説なんだよ。



・・・・・・へー。



     舟がよく遭難する所なのね。





~~ ああそうだ



     たび重なる悲劇が魔女伝説を生んだ。



    そのころハイネは従妹アマーリエへの



    失恋にまいっていた。



    美しい不遜非情な、この恋人は



    まさしくローレライの魔女であり



    我が身はあわれな舟乗りなんだ。





・・・・・そうか



    この恋人が魔女という訳なのね。



~~「そぞろ身にしみ」たのは



    ラインの落日でも、



    ローレライの夕映えでもない。



    この詩の主題は



    難破する若者のうらみと未練なのだ。



・・・・・へー。



    私、またローレライに行きたくなった。



~~ またって、前に行ったことがあるの?



・・・・・いいえ。ない。



    だから、



    また行きたくなったのよ。



         



       合格       

       

      





(注)来歴等に関する出典はWikipedia他