言われてみれば映っていなくもないような
というていどに磨いたシンク
かすむ銀が、わたしの顔をくもらせている。
銀色、わたしに見えている銀が
「これは銀色」と誰かにも言ってもらうまでは銀にはならない。
わたしは髪をほどいた、
ふいと持ち上げられる左腕に
つらぬくような痛みを感じる
それは人差し指まで来ると、第一関節で停滞した
警告にも負けじと蛇口をひねると
世界中の海流が一箇所にあつまったような混沌
わたしの目もかすんでいることにそのとき気付いた
眼鏡は生涯持ったことがない
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ふゆかいな演出です
だんまりをきめこんだ青二才のしぬほどしなやかな足首
答えを出そうとすると
わたしが二股にわかれる
あるいは3つ
分断されて
もどれなくなるとリセットボタンをおす
死ぬ!と思う前に押してしまう
だからわたしは分裂したことがうまれてこのかた、ない
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爪の斑点がちいさいころからきえない
かのじょは
いくつだって女なのだと主張する
とても若くして子供を産んだ
花は咲かないと実が生らない
芝生には
ガラスの破片がたくさんおちていた
小さな庭は裸足では歩けない
しかし正直なところ
わたしもかのじょも他人には興味がない
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左手の指が、まだいたむので
ねむることにした
起きると痛みはなくなっていた
知っている音楽が流れていたが
曲名がまったく思い出せない
窓の外は雨の音がする
冬かもしれない、と思ったが
あの人が冬だというまで
季節は秋だった