昨日の空はどうも暗いと思っていたんだ
日食が彼らの視線を奪っている隙に
私がマンホールに落ちる様を
誰も見届けていてくれなかった
きっとこれはリハーサルなのだ
私の口から滔滔と流れる泣き言に
毎晩誰かがダメ出しする
そうしたら ほら
今言ったあなたの台詞をいつもの冗談に出来る
張りぼてのアパートで繰り返される
甘い言葉と押し問答
演じる事を生業としております
この舞台から降りる事など考えられません
でも台本のページはあと一枚
ナレーションが入る
『穴の底はもうこれ以上落ちることの無い言い換えれば別天地
しかしながら不毛のユートピアである』
照明の熱が肌に残る
リハーサルではなく本番だった
観客がいないので気付かなかった
緞帳の裏に残された私は
未だ一人第二幕を待っている