山間に初盆参りに行く
介護仲間で最初に出会い
助けて頂いた方のお家へ
毎日、旦那さんの食事介助
に通い、介護のなんなのか
を身をもって教えてくださり
さりげなく
食べれない私を食事に誘い
助けてくださった恩人
新型コロナで
介護施設も面会禁止となり
旦那さんは食べなくなられ
最悪なことに
この夏、初盆を迎えた
遺影は、笑顔の柔らかい
ハンサムな先生だった
地域に愛されたお医者さん
だった
奥さまは、面会禁止の間に
大病をされ、酷な人生を
再び歩まれているが
それでも、にもかかわらず
笑顔で迎えてくださり
長居をしてしまう
三年前の在宅介護での
ストレスを
初めて口にされた
帰り際
家の側に小川がながれ
セリが生えている清い水
「ホタルもいそうですね」
と話すと
「夫を遺骨で自宅に
連れ戻ったおりに、娘の側に
ホタルが飛んできて、
ずーとついてきた
その時は泣けたよ」と
ホタルが旦那さんだった
と口にされずとも
そう理解した
娘さんをとても
可愛がっておられ、
ホタルは
払っても払っても
ついてきたと話された
我が家の小さな庭にも
黒アゲハチョウが現れる
勝手に夫の化身と思い
見つめていたが
やはり、そんな事
あるんだと確信した
お盆の間も
ふっと、目の前に現れ
優雅に舞いを披露し
消えていく
ふわふわと舞う姿に
勝手に想いを重ねて
自分を慰めている
夫は生きている
のに、、、